※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.14>
探究を深める 理路整然 どうする,粒子のモデルで考察する
探究1では,スチールウールを加熱すると,スチールウールとは異なる物質になりました。また,何かが結びついたため,もとのスチールウールより質量が増えた,と考えました。
その現象を粒子のモデルで表してみましょう。
スチールウールは鉄の粒子からなるとして,実験結果を粒子のモデルでどのように考えたらよいでしょうか。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.15>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,燃焼のときの粒子のモデル
探究1では,鉄はもともと「鉄の粒子」でしたが,加熱したあとは,「鉄の粒子」でなくなったと考えられます。1年で学習した粒子のモデルは,質量が変わらない状態変化を表すものでした。今回は,質量の変化も説明できるモデルを考える必要があります。
スチールウールは酸素と結びついて質量が増えて,木などは酸素と結びついて,質量は減るんだね。どういうことだろう。
鉄は無機物で,燃焼しても二酸化炭素が発生しなかったよね。でも,木は有機物で,燃焼すると二酸化炭素が発生したね。
粒子のモデルで考えてみようよ。鉄を燃焼させると,酸素の粒子が鉄の粒子にくっついて,とどまっているのかな。
化学変化を考えるときは,質量に注目することが大切なんだと思う。木が燃焼したあとに,軽くなるのはなぜだろう?
これも粒子のモデルで考えられないかな。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.21>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,2つの物質は同じか,異なるか
探究1や探究2では,加熱前に鉄だった物質が,加熱後に鉄と異なる物質になったかを調べます。加熱前後の物質の性質を調べ,その結果を比較することにより,異なる場合は,「加熱の前後で物質が変化した」と考察することができます。
この探究2では,磁石を使って,加熱後の物質が,もとの鉄と異なる性質をもつか調べます。これが【方法3】です。また,探究1では,酸化鉄は塩酸と反応しないことを確かめました。では,探究2ではどうなるか。これが【方法4】です。
効率よく少ない手順で調べるためには,仮説を立てて,できる物質をある程度予想しておくことが大切です。そうすることで,どのような方法を調べるべきかしぼれてきます。
もし,化学変化のあとにできる物質がまったくわからなければ大変ですね。その物質の性質を調べる方法がたくさんになりそうです。
その場合は,あらゆる方法で,その物質の性質を調べます。これまでの学習をあてはめるなら,密度,金属の性質,有機物の性質,溶解度などを調べることが考えられます。とはいえ,これは大変で現実的でないので,やはり「当たりをつけておく」ことが大切です。
鉄かどうかを確かめるには,磁石を使うことが有効ですね。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.22>
探究を深める 理路整然 どうする,銅と硫黄の化学変化の予想
銅線と硫黄(約1 g)を左のようにして加熱します。銅の変化を予想してみましょう。
注意!!
実験は換気をよくして行う。
発生する気体を吸いこまない。
銅粉はこの実験に使用しない。
鉄と硫黄の化学変化が参考になりますね。
原子のモデルでどのように表すことができるかな。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.29>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,結果がちがう?仮説がちがう?
探究の結果が,仮説とちがうんだけど…。
仮説がまちがっていたんだよ。
結果の方がまちがいなんじゃないかな。
実験結果が予想どおりでなかったら…。思わず「仮説がまちがっていた」「結果がまちがってい た」と考えてしまわないでしょうか。しかし,あなたが,いいかげんに実験したのでなければ,だれかの結果を写したのでなければ,真剣に仮説を立て,実験に取り組んだ結果は,探究の貴重な成果です。
●仮説とちがう結果が出たら…
仮説とちがう結果がでたならば,「仮説は正しくなかった」という考察ができます。探究を行う前には得られなかった考察ですから,立派な成果です。その考察をもとに次の仮説を考え,次の実験計画を立てることができます。こうした試行錯誤により,調べたいことの真実に近づいていくのです。
●明確な考察がでないときは…
もし,「仮説」と「結果」を比べて,はっきりした考察ができなかったのならば,「ふり返り」を行いましょう。
「仮説」は明確だったでしょうか。実験の結果を明確に予想する仮説であれば,適切な「実験計画」を立てることができます。もし,「水を分解すると気体が発生する」というあいまいな仮説だった場合は,何を,どこまで,どのように確かめれば考察できるかはっきりしませんね。
たとえば,探究3の明確な仮説を「水を分解すると水素と酸素が発生する」とすれば,「水素を確かめる方法」や「酸素を確かめる方法」をふくめた「実験計画」を立てることができます。そして実験結果の「気体が音を立てて爆発的に燃えた」という事実から「水素が発生した」という「考察」を行い,「線香が炎を上げて激しく燃えた」という事実から「酸素が発生した」という「考察」を行うことができます。
●科学的探究
このように,理科では「ものごとを調べる手法」を学びます。理科という教科の中では限られた話題しか出てきませんが,この手法はどんな分野でも何かを調べたいときに広く使えます。この手法を「科学的探究」とよんでいます。学問的な探究だけではなく,「どうやったら暮らしやすくなるか」「どうやったら便利になるか」「どうやったら商品が売れるのか」など,みなさんが社会に出たら,どんな課題に対しても「仮説を立てて,試してみる」をくり返し,うまくいく方法を探すことになるでしょう。
「明確な仮説を立てて,計画を設定する」「結果から考察する」「結果・考察と仮説を比較する」「新たな仮説を立てる」ことを意識してみてください。
中学校では,自分の結果と教科書の内容を比べてしまうかもしれませんが,世の中のできごとは教科書にないことばかり。
「まちがったらいやだ」「教科書と同じでないといやだ」という気持ちは,努力して忘れてしまうことをおすすめします。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.30>
探究を深める 理路整然 どうする,粒子のモデルを深める
原子カードでも考えてみましょう。うまく説明できるでしょうか。
考察の内容は,電気分解の結果をうまく説明できるでしょうか。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.33>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,まとめるポイント
この探究では,考察のポイント①〜③を考えていくことで,二酸化炭素と水ができるなどの「仮説」が確かめられます。
ただし,①〜③を書くだけでは,「つまり何なのか」が足りないように感じます。このようなときは,「最終的にどのように判断できるか」をまとめてもよいでしょう。考察の●印に示したのは,わかったこと全体をまとめ直すためのポイントです。もとの「課題」である「加熱すると何ができるか」を見直して,「どのように変化してできたか」という観点でまとめようとしています。
レポートが長くなった場合などは,全体をまとめる意味で「結論」という項目を設けることもあります。この教科書では,レポート例に「結論」を設けていませんが,まとめ直すときには有効です。「結論」で,探究の手順,結果,考察などを簡潔に書くと,読み手に内容を簡潔にわかりやすく伝えることができます。
なお,探究のレポートでは,言えること・考えられることを可能な範囲ではっきり伝えるのが原則です。「…と考えられなくもない」「…かもしれない」などと曖昧に表現しないように気をつけます。まずは,「○○(根拠)から,○○と考えられる(考察)。」と表現して練習しましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.41>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,正確な質量測定
科学的探究で重要なことのひとつは,「できるだけ正確にはかり,数値化すること」です。調べた内容が数値になっている状態を「定量的である」といい,一方,大まかな傾向を言葉などで表し,数値になっていない状態を「定性的である」といいます。
中学校の探究では,結果を定量的に表すことができず,定性的であることも多くあります。しかし,あなたが社会に出たとき,説得力ある報告をするためには,その内容が定量的であることが求められるようになるでしょう。定量的であれば,他の人が調べた内容と比べやすく,判断しやすいからです。
この探究5では,化学変化の前後で物質の質量を定量的に調べます。科学の歴史の中で見ると,定量的な実験をくり返して,物質の理解の基礎をかためていったのがラボアジェ(フランス, 1743 ~ 1794 年)です。ラボアジェより前の時代の「錬金術師」とよばれる人たちは,定性的な実験をくり返して行いながら,多くの化学変化に関する知識を増やしていました。しかし,手に入れやすい物質から「金」をつくりだすという考えにとらわれ,科学的に正しい物質の理解にはたどりつけませんでした。
ラボアジェは,定量的な実験を行う際に,実験器具をめぐって苦労したそうです。化学変化の前後の微妙な質量変化を精密に調べるためには,当時の一般的なはかりは不十分でした。そのため,職人の協力を得て,精密なてんびんと,質量の基準となる精密な分銅をつくりました。
ラボアジェの研究以降,化学変化の質量についての規則性が明らかになっていき,ドルトンの原子説とつながっていきます。
錬金術師
フラスコに水を注ぎながら何日も煮つめ続けると,底に土のようなものが現れる。"水❶"が"土❶"に変わる証拠だ。
フラスコ自体の質量を正確にはかったら,少し減っていました。その土のようなものは,フラスコの成分が水に溶け出しただけです。
ラボアジェ
錬金術師
物質を燃やすと質量が減る。これは"燃素❶"という物質を燃やす成分が燃えて空気中ににげたためにちがいない。
金属を燃やすと質量が増えることは説明できませんね。"燃素"というものもありません。
ラボアジェ
❶ いずれも,当時考えられていた架空の元素。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.42>
探究を深める 理路整然 どうする,原子モデルで質量が変わらないことを表す
それぞれの化学変化を原子カードで表そう。化学変化の前後で化合物は変わっても,それをつくる原子の種類は変わらないよね。
でも,化学変化前ではNaが2つあるのに,あとではNaは1つしかないよ。化学変化の前後で質量が変わらないことと矛盾していない?
こちらの化学変化も,化学変化の前後で原子の数が合わないね。質量が変わらないということは,原子の数も変わらないということだよね。どのように考えたらいいのだろう。
よいところに気がつきましたね。化学変化の前後で質量が変わらないことと,矢印の左右にある原子カードの数が合わないことが矛盾しています。どのように考えたら,解決できるでしょうか。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.48>
探究を深める 理路整然 どうする,余る物質の計算
銅と酸素が過不足なく結びつく量に対して,これよりも銅が多い場合は銅が余り,酸素が多い場合は酸素が余ります。表の「余る物質とその質量」について,説明してみましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.57>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,決まりを見つける・あてはめる
自然界のものごとについて決まりを見つけていく方法には,大きく分けて2つあります。いろいろな現象に共通していそうな決まりを見つけていく方法と,確実な決まりに,新しく見つけた現象を当てはめる方法です。前者を「帰納法」,後者を「演繹法」といいます。
たとえば,昔の科学者は,非常にたくさんの化学変化について事例を調べ,「どのような化学変化であっても,化学変化の前後で,全体の質量は変化しない」という共通点を見つけました。そして,質量保存の「法則」という自然現象の決まりが認められたのです。これは,たくさんの事例から共通する決まりを見い出すという「帰納法」の一例です。
今回の探究7は,どちらかというと「演繹法」で考えています。 ここでは,次のような3つの決まりをもとに,新しく見つけた現象を理解しています。
決まり1 物質や物質の化学変化は,原子のモデルで表すことができる。
決まり2 化学変化は,化学反応式で考えることができる。
決まり3 化学変化で,化学変化の前の物質の酸素を取り除くことができる。
この3つの決まりを,酸化銅と炭素を加熱したときの変化に当てはめて考えているのがわかるでしょうか。
ただし,探究のときに帰納法,演繹法といった区分を気にしすぎる必要はありません。私たちが何かを考えるときは,同時にどちらの方法も使っていることが多いからです。
一方,レポートをまとめるときは,どちらか の立場で書くとよいでしょう。「多様な例をもとに決まりを見つけた」のか,「わかっている決まりをもとに,調べた現象を考察した」のか,どちらかの展開に沿ってまとめると,筋道のとおった状態になります。
仮に,ひとつのレポートの中で,A,B,Cという事例から決まりを見出し(帰納法),その決まりを,また同じA,B,Cという事例にあてはめて考察する(演繹法)と,「根拠」と「解釈」が堂々めぐりになってしまいます。これは筋道がとおっていない状態です。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.58>
探究を深める 理路整然 どうする,酸化する物質
図のようにして,ドライアイス(二酸化炭素の固体)のくぼみに入れたマグネシウムに点火して,ドライアイスのふたをかぶせます。
この実験では,化学変化のあとで,酸化マグネシウムと炭素ができます。化学反応式を考えてみましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.77>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,観察の対象
この教科書では,ホウセンカを例にして茎や葉のつくりを調べています。ホウセンカは,みなさんの身のまわりで見られない植物かもしれません。それなのに,なぜホウセンカを使うのでしょうか。
それは,育てやすくて,からだのつくりがわかりやすく,中学校で植物の観察・実験をするときに慣例的に使われてきたからです。
ホウセンカ以外にも調べやすい植物はあります。たとえば,葉の断面を顕微鏡で見るときは,サザンカ,ヒイラギなどが適しています。葉が丈夫で,切りやすいのです。また,葉の表面を調べたいときは,ツユクサがおすすめです。葉の表皮がはが
れやすいからです。そのほか,野菜などもふくめて調べれば,観察・実験に向いている植物はもっとたくさん見つかるでしょう。
ほかに,中学校でよく取り上げられる植物としては,アブラナやマツ,イヌワラビなどがあげられます。動物で,からだのつくりを観察する場合には,にぼし,エビ,イカなどです。むかしの中学校では,ヒキガエルやウシガエルの解剖をしていました。
科学の研究の世界でも,手に入れやすい,管理しやすい,目的の現象が観察しやすいなどの理由で,よく用いられる種類があり,これを「モデル生物」といいます(下図)。
このように,調べやすい試料を,ときには試行錯誤して見つけることも探究の大事な要素です。
モデル生物の例
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.80>
探究を深める 理路整然 どうする,水の確認
葉の表面にあるくちびるのようなつくり(気孔→p.82)は,一般に葉の表よりも裏に多くあります。表と裏から放出される水蒸気の量にはちがいがあるということです。
葉の表と裏から放出される水蒸気の量のちがいを,具体的な数値として求めるために,葉にワセリン(油の一種)をぬる方法があります。ワセリンをぬると,水蒸気の出口がふさげるのです。ワセリンの性質をもとに,どのような探究方法が考えられるでしょうか。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.84>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,変える条件・そろえる条件
ここでは,理科の大事な見方・考え方のひとつである 「探究の方法」を意識しましょう。考察に十分な説得力を出すためには,それを導く調べ方に気をつける必要があります。
一般に,実験結果が生じた原因・条件を決めるためには,「変える条件」をひとつだけ決めて,あとの条件は変えずに実験を行います。いくつかの条件を変えながら実験をしてしまうと,原因・ 条件が何だったのかをひとつにしぼれなくなってしまいます。
これは科学における非常に大事な考え方です。私たちは日常で問題が起こったとき,よかれと思うことを全部試してみます。もちろんそれは当然なのですが,あとで「何がいちばん効いたのか」とふり返っても,よくわかりません。
一方,科学的な探究では,目の前の【現象の裏側には原因・ 条件】があり,原因・ 条件は【要素に分解できる】はずだと考えます。そして,要素を切り分けてから,個別に実験して,原因から結果までのしくみを探ろうとするわけです。
では練習してみましょう。デンプンは24時間いつでもつくられるのでしょうか。植物の葉でデンプンができるための条件を,実験計画を立てて確認しましょう。次のA,B,C,Dの実験方法を比較し,原因が1つに決められるか比べてみましょう。
実験A
方法
1. ホウセンカの鉢を日光に当てたあとで,ヨウ素デンプン反応を確かめる。
2. 葉のヨウ素デンプン反応を確かめる。
結果
葉でヨウ素デンプン反応が起こった。
〔実験A〕日光に当てた葉でデンプンができていたので,デンプンができるには日光が必要だということができます。
日光に当てる・当てないにかかわらず,葉には最初からデンプンがあったのではないですか?つまりこの実験方法では,「日光に当てたこと」という1つの原因がつきとめられていませんね。
実験B
方法
1. 1つの鉢㋐を数日間暗いところに置いてから,葉のヨウ素デンプン反応を確かめる。
2. ㋐を日光に当てて㋑とし,葉のヨウ素デンプン反応を確かめる。
結果
日光に当てたあとの葉でのみヨウ素デンプン反応が起こった。
〔実験B〕日光を当てた葉とそうでない葉を比べたので,デンプンができるには日光が必要だということができます。
日光とは関係のない理由で,日時が異なるとデンプンができたり,できたデンプンがなくなったりするのではないですか?この実験方法では確かめられていませんね。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.85>
実験C
方法
1. 2つの鉢を数日間暗い場所に置く。
2. 同じ時刻に一方㋒は暗い場所に,もう一方㋓は日の当たる場所に置く(同じ日時で比べる)。
3. それぞれ,葉のヨウ素デンプン反応を確かめる。
結果
光に当てたあとの葉でヨウ素デンプン反応が起こった。
〔実験C〕日光の有無を比べるだけでなく,㋒と㋓を同時に比較したので,日時が異なることによりデンプンができたりできなかったりする可能性をなくすことができました。
よくなってきましたね。でも,一方の個体にはもともとデンプンがあって,もう一方にはもともとデンプンがなかったかもしれませんよ?この実験方法ではつきとめられていませんね。
実 験 D(p.83図10)
方法
1. 1つの鉢を数日間暗いところに置く。
2. 葉の一部を日光が当たらないようにおおって(日光を当てる・当てない条件を変えて比べる),鉢ごと日光に当てる(同じ日時,同じ個体,同じ葉で比べる)。
3. 葉のおおいをした部分とそうでない部分でヨウ素デンプン反応を確かめる。
結果
おおいをして日光が当たらなかった部分ではヨウ素デンプン反応が起こらなかった。日光に当たった部分でヨウ素デンプン反応が起こった。
p.83図10は右のような方法をとったね。これとA,B,Cの実験は,どこがちがうのかな?
「変える条件」「そろえる条件」を整理してみようかな。
実験A,B,C,そしてp.83図10の実験で,「変える条件」「そろえる条件」は次のように整理することができます。A,B,Cでは,複数の条件が変わってしまっていますね。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.86>
理路整然 どうする,本実験・対照実験
図11の実験では,「葉の緑色の部分でデンプンができるか」を調べるために,「変える条件」として「色のうすい部分㋐」と「色の濃い部分㋑」の2種類を準備しました。そして,それ以外は「変えない条件」としました。
部分㋑のように,本来調べたい「葉の緑色」という条件がある場合を本実験といいます。一方,部分㋐のように,調べたい条件がないことを対照させ,それ以外の条件がそろっている場合を対照実験といいます。この方法は,実験計画の基本となる大切な考え方で,さまざまな事象を調べるときに実践されています。
小学校で学んだ発芽の「条件をそろえて調べる」という実験がこの「本実験」と「対照実験」に当たります。
本実験は「水をあたえる」。対照実験は「水をあたえない」。それ以外の条件はそろえる。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.90>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,再現性
科学の大事な考え方のひとつに,「再現性」があります。だれがやっても,同じ実験方法で,結果が同じになるようであれば,「再現性がある」といえて,科学的な探究の対象になります。
私の班は葉の中心だけにヨウ素デンプン反応が見られました。でも,ほかの班は葉の下部で 見られました。これは再現性がないのでしょうか?
2つの班で同じ条件にしきれなかった要因があるかもしれません。再現性というのは,実際はたいへん難しく,条件を同じにしたつもりでも,できていないことがあります。また,生物の場合は「個体差(個体により性質や反応がちがうこと)」も誤差として考える必要があります。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.92>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,実験計画
この探究を例に,仮説から実験の計画までをふり返ってみましょう。最終的には右ページのような手順で実験を行いますが,その裏には,以下のような思考の流れがかくれています。
仮説
植物のからだをつくる炭素Cのもとは,空気中の二酸化炭素CO₂ではないか。
↓
結果の予想
もしそうなら,植物が光合成をすると,空気中の二酸化炭素が減るのではないか。
二酸化炭素が減ることを調べるにはどうしたらいいだろう。石灰水を使うと,増えたことはすぐわかるけれど……。
はく息には二酸化炭素が多くふくまれるね。容器に息をふきこんで,植物を入れ,光合成をさせたあとの気体は,石灰水がにごらなくなることを確かめればいいよ。
二酸化炭素が出入りしないよう,密封できる容器に入れよう。
この容器ごと日光に当てたあとに,石灰水を入れればよいね。
植物があるかないかで,実験結果にちがいがあれば,仮説が確かめられたことになるね。
それ以外の,息をふきこむことや,容器の大きさなどの条件は,同じにする必要があるね。
試験管A(本実験)
容器に二酸化炭素を加え,植物を入れる
試験管B(対照実験)
容器に二酸化炭素を加え,植物を入れない
この2つの条件を比べよう。
5 ほかに考えるべき条件はないか?
4では,両方の試験管を日光に当てているけれど,日光に当てたことで二酸化炭素が減る可能性はないかな。
そうか,光を当てない対照実験も必要だね。
6 実験計画を立てよう
仮説を確かめるために必要な実験条件は,この4通りだ。同じ容器を使うこと,息をふきこむことは「変えない条件」だね。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.105>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,連続する条件の決め方
方法1で試験管をあたためたのはなぜだっけ?
アミラーゼは,ヒトの体温でうまくはたらくようにできているからです。
アミラーゼがはたらきやすい温度と,そうでない温度があるんですね。
アミラーゼがはたらきやすい温度を探究できそう。
アミラーゼには,よくはたらく温度があります。その温度は,何℃なのでしょうか。はたらきかたは,温度によって「オン・オフ」のように急に変わるのでしょうか。それとも,ゆるやかに変わるのでしょうか。
p.84の「変える条件・そろえる条件」という考え方では,ある条件の「ある・なし」を決めました。しかし,温度という条件は「ある・なし」を決めることができません。このように,調べる内容によっては,条件が連続していることがあります。このようなときは,一般に次のように段階的に実験を組み立てていきましょう。
①まず温度を大まかに決める
実験に必要な時間や費用を考えて,効率のよい実験方法を組み立てます。もちろん0.1℃ずつ区切って0℃から40℃まで400回実験を行うという方法も可能です。しかし,まずは大まかに傾向をつかみ,どの範囲を集中して調べるべきなのか目安を知るのが優先です。
たとえば,アミラーゼがよくはたらく温度を調べる場合は,0℃,20℃,40℃…と,等間隔で大まかに区切って実験を行うのが適切でしょう。
②次にこまかい間隔で決める
先の実験の結果,アミラーゼが20°Cから40℃の間でよくはたらくとわかったとします。今度は,20℃と40℃をさらに細かい間隔に区切って調べます。20℃,25℃,30℃,35℃,40℃などに分けて調べることが考えられます。
さらに区間をしぼって細かく区切れば,どの温度ではたらきが変化するか,くわしくわかるでしょう。
この実験方法は次のようなときに応用できます。
◆チューリップの花は,温度によって,とじひら きする特徴がある。何℃が境かを調べたい。
◆ゴムにおもりをつるして,伸びとおもりの質量の関係を調べたい。質量の区切りを適切に決め,実験計画を立てるときの目安を決めたい。
このように,条件を区切っていくという手法もうまく使えるようになりましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.116>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,植物と動物のちがい
動物も植物も,細胞が集まってからだができています。また,呼吸をする点も同じです。植物は,葉緑体で行われる光合成によって,自らデンプンなどの養分をつくることができます。一方,動物は養分をつくり出すことはできず,ほかの生物がつくった養分を,食物としてからだの外から取り入れます(下図)。
現在ではこのように学習しますが,これもだんだんと明らかになってきた事実です。昔は植物は土を食べて生きていると考えられていました。しかし,次のような研究の歴史を経て,正確にしくみが理解されるようになりました。
1648年
ヘルモント(ベルギー,1579〜1644年)
鉢に入れた土にヤナギの若木を植え,水だけで育てました。5年後,植木鉢の中の土の重さはほとんど減らなかったのに,ヤナギの木は70kgも重くなりました。この結果から,ヘルモントは,植物は水を養分にしていると考えました。
1772年
プリーストリ(イギリス,1733〜1804年)
容器の中でろうそくを燃やしてからネズミを入れ,密閉すると,ネズミは死んでしまいます(二酸化炭素が多いため)。しかし,ネズミと一緒に鉢植えの植物を入れると,ネズミが死なないことを発見しました。この結果から,植物は,ネズミが死ぬ原因の「何か(二酸化炭素)」を空気から取り除くはたらきがあると考えられました。
1779年
インヘンホウス(オランダ,1730〜1799年)
容器の中でろうそくを燃やした後,ネズミと鉢植えの植物を入れて密閉し,容器を暗い場所に置いておくと,ネズミが死んでしまうことを発見しました。植物のはたらきには,光が必要であることがわかりました。
1804年
ソシュール(スイス,1767〜1845年)
植物を入れて密封した容器に光を当てると,容器の中の二酸化炭素の量が減り,植物の重さが増えました。ここから,植物が空気中の二酸化炭素を取りこんでからだをつくることがわかりました。
1864年
ザクス(ドイツ,1832〜1897年)
p.83図10の実験を行い,葉に日光が当たると,デンプンができることがわかりました。
これら以外にも,最終的には科学的に正しくなかったさまざまな考察がありました。150年以上にわたる多くの研究から,植物と動物の生きるしくみのちがいが明らかにされていったのです。
植物
動物
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.122>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,反応にかかる時間の計算
この実験では計算で何を求めているのだろう?
20人で実験したとしましょう。割り算して平均を求めるということは,「刺激→反応」の関係が,全員同じでなければいけません。最初の人は,ストップウォッチを押したと同時にとなりの人の手をにぎり,この時間は計算にふくめません。次の人から「刺激→反応」にかかる時間としてあつかいます。
19人目が20人目(最初の人)の手をにぎったとき,20人目の人は左手で刺激をうけて,左手で反応します(ストップウォッチを再度押します)。20 人目の「刺激から反応までの経路」は,厳密には他の人とちがいますが,中学校で行いやすい実験として可能な範囲で全員の経路を同じにして,人数分同じ経路をたどったとみなします。ストップウォッチを最初に押してから最後に押すまでの時間を人数(ここでは20)で割ると,1人にかかった平均の時間が求められます。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.137>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,変化させる量・変化する量
ものごとを観察して「AとBが関係していそうだ」と仮説を立てることがあります。しかし,もっとくわしく知りたいと思っても,ただ観察しているだけでは,Aが自分の思ったとおりに変化してくれるとは限りません。人が操作をして変化させる必要があります。
たとえば,p.47では「A 銅粉の質量」を変えて,それにともなって「B 酸化銅の質量」がどのように変わるかを調べました。p.83では,「A 日光」が当たるかどうかを変え,それにともなって「B デンプン」ができるかを調べました。
この探究では,「A 電圧」を変化させて,それにともなって「B 電流」がどのように変化するかを調べています。
この教科書では,Aを【変化させる量(人が操作して変える量)】,B を【変化する量(Aにとも なって変わる量)】とよんでいます。このような考え方は,今後の探究でもよく使います。また,1年生で行った探究の方法について,この2つの量が見つかるかふり返ってみてください。探究の計画の立て方がさらに上手になるでしょう。
現象をとらえて決まりを見つけたいときは,積極的に条件を変えて試していきましょう。
この実験のようにAが増えることが原因でBも増えるといった場合,AとBには「因果関係がある」といいます。
たくさんのものごとの中には,まだ未知の「C が増える」ことが原因で,それにともなって「AもBも増える」ことがあります。そのときは,AとBは「相関関係がある」といいます。AとBは連動して変わるけれども,AがBの直接の原因ではないという意味の表現です。
科学的に考えるときは,「因果関係」と「相関関係」を混同しないように注意しよう。ちょっと立ち止まって,ほんとうにそれが原因かと考えてみるとよいね。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.138>
探究を深める 理路整然 どうする,抵抗の計算(1)
わかった!回路の電流の大きさは「電流を流そうとするはたらき(電圧)」と「電流の流れにくさ」のバランスで決まってくると考えればよいのですね。
図8の電圧と電流の軸を反転させると,すなわち傾きが抵抗R(電流の流れにくさ)のグラフになります。ここで,電圧を電流で割った値が抵抗です。結果から抵抗の値を求めてみましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.144>
探究を深める 理路整然 どうする,抵抗の計算(2)
直列回路,並列回路のそれぞれの抵抗器で,電圧と電流の値がわかるので,抵抗の計算ができますね。やってみましょう。
直列回路の場合は,抵抗器に表示されている抵抗の値と,計算で求めた抵抗の値が同じになりました。でも,並列回路では,そうはならないようです。
どの班の値を使って計算しても,同じ結果なので,何か決まりがかくされていそうです。
抵抗の直列回路,並列回路では,抵抗の値に決まりがあります。p.147 で考えていきましょう。。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.151>
理路整然 -智に働けば役に立つ- どうする,変化させる量が2つ
探究4 では,このとき,「熱を発生させる時間が長いほど,熱量は大きくなりそう」,かつ「電力が大きいほど,熱量は大きくなりそう」と予想するとします。すると,熱量という「変化する量」に対して,「変化させる量」が,時間と電力の2種類出たことになります。
この場合でも,今までのように,変える条件を1つにして考えましょう。まず,電力を変えずに,時間という条件だけを変えていき,熱量の変化を調べます。これで,時間と熱量の関係を判断することができます。次に,時間を一定に決めて,電力という条件をいくつか変えて実験したときの熱量の変化を調べます。これで,電力と熱量の関係を判断することができます。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.163>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,電流の流れすぎ
この探究では,回路に抵抗器をはさんでいます。抵抗器がないと,回路が導線だけになり,大きな電流が流れてしまうのです。このとき
電力=電圧 × 電流,電力 × 時間=熱量
であることから,回路に大きな電流が流れ続けると,大きな熱量になることがわかりますね。導線や電源が高温になって非常に危険です。このように電源に導線だけをつないだ状態を「ショート回路」といいます。電流の性質を調べる探究では,ショート回路にならないように注意してください。
注意!! これは説明のための写真である。実施してはいけない。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.164>
探究を深める 理路整然 どうする,地磁気
電流が小さいとき,理想的でない方向を向いたよ。なぜこうなるんだろう?
それは地球の磁界の影響です。もともと磁針のN極は北を向きます。電流が小さいときは,磁針は地球の磁界の影響を受け,磁針が図9のような方向を完全に向くわけではありません。そもそもの地球の磁界を地磁気といいます。
これによって,磁針の向きがわかりづらくなるといけません。コイルに電流を流さない状態で,初めに磁針はどちらを向いていましたか?装置の向きを回転させて調節するなど,結果がわかりやすくなるように整えておきましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.169>
理路整然 −智に働けば役に立つ− どうする,適切な簡略化
この探究では,左ページのような装置をつくります。ここでの課題は「電流の流れる1本の導線が磁界の中にあるとき,導線がどのような力を受けるか」です。要素をできるだけ簡略化するほうが,結果を理解しやすくなります。
たとえば,下図(a)は,電流と磁石によってはたらく力を利用した簡易モーターです。「磁石によって導線がどのような力を受けるか」という課題を考えるときには向いていません。実際のモーターも同様で,そのままモーターを使っても,この探究の結果はわからないままでしょう。
課題を解決するために,下図(b)のように導線1本と棒磁石でできた装置を考えたとします。簡略化してあり,わかりやすそうです。しかし,導線1本だけ,棒磁石だけでは変化がわずかで,はっきりした結果が出ない心配があります。
適切に簡略化したのが下図(c)です。導線はコイル状にして,はたらきを強めています。また,導線がN極とS極のあいだの磁力の強いところを通るように調整しています。意図的に「簡略化」され,「結果を強調」した状態です。
因果関係が明確になるような実験装置のくふうも意識していきましょう。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.170>
探究を深める 理路整然 どうする,条件をさらに変える
この探究では,まだ条件を変えることができます。
コイルの巻き数を増やすことができますね。
コイルの巻き方を逆にすることもできます。
では,そのように条件を変えたときの仮説を立てて,実験を行ってみましょう。
力を受けるようすを,数値で表すことができないかな。コイルの動いた角度をはかったらどうかな。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.211>
理路整然 どうする,スケールが大きすぎる
植物の実験であれば,その植物を実験室に持ってくることができます。電流の実験であれば,回路を組むことができます。しかし,大気で雲ができる場面は,実験室に持ってくることができません。このようなときは,雲のでき方に関わる根本的な要素を予想して,「その要素だけを実験室で再現する」という考え方をします。この探究でも,結果がわかりやすくなるように, 右のような要素を誇張する方法をとっています。
現象のスケール(規模,尺度)が大きすぎるときは,どのように実験室のスケールに落としこむかを考えて,探究の計画を立てましょう。
ポイント1
フラスコの中を一度ぬらすのは,フラスコ内の湿度を上げて,露点に達しやすくするためです。
ポイント2
実際雲ができるときは,空気中のちりなどに水蒸気がふれることで水滴ができます。線香の煙には,このちりの役割があります。
ポイント3
空気のかたまりが膨張するようすは,フラスコの中の空気の体積を強制的に増やすことで再現しています。実際は上空の気圧が 低いため,自然に空気のかたまりが膨張しますが,この探究では,人の手で引っぱって膨張させます。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.212>
探究を深める 理路整然 どうする,別の方法を説明する
このような方法でも,容器の中に水滴ができます。探究5を応用して,しくみを説明してみましょう。
この方法では,容器の口にポリエチレンの袋をかぶせています。これは何をわかりやすくするためでしょうか。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.221>
理路整然 どうする,シミュレーション
気象の分野では,地球全体の大気の流れなど,非常にスケールが大きいものを取りあつかいます。このような場合,実際に条件を変えて実験することはできないので,「シミュレーション」という手法が用いられます。
「シミュレーション」は,本来「ふりをすること」「まねをすること」という意味の言葉です。科学の世界では,実験を行うのが難しい事象について,条件を数式などで表し,現実に近い状態で再現したモデルを用いて分析することを指します。
気象分野のシミュレーションでは,水や空気の性質,地表や海面の状態,大気の流れや地球上の熱の出入りなど,さまざまな自然現象を表した数式と,世界中から集めた現在の気象観測データを組み合わせてコンピュータで計算し,この先の天気を予測しています。この結果をもとに,専門家が「天気予報」をつくるわけです。
シミュレーションは,防災情報,建築,製薬など,多様な場面でも活用されています。
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.239>
理路整然 どうする,検索結果の妥当性
私たちは,何かをはじめる前に,あるいは少しでもわからないことがあると,とりあえずインターネットでキーワード検索をします。探究でも同様で,その過程ではたくさんの調べものをします。
この方法が変わるかもしれません。
「対話型AI(人工知能)」とよばれる技術が急速に発達しています。あなたは,インターネットにつながったパソコンに,聞きたいことを文章で入力し,対話型AIは,読みやすい文章と分量で,その答えを出してくれます。さらに質問を重ねて深めることもできます。もはや,検索して出てきた膨大な情報を吟味する必要はなく,大変楽ですね。SFの世界でみてきた「機械学習を積み重ねたAIが,深い知識で答えてくれる」ことが現実になるのかもしれません。
ただし,キーワード検索では,対話型AIではなおさら,気をつけることもあります。
「その答えは正確ですか?あなたにとって,今の状況にとって適切ですか?」
「その答えで,他の人に伝わりますか?納得してくれそうですか?」
あなた自身が妥当かどうか判断する必要があります。検索を上手に使いつつ,大事なことほど,複数の情報源を調べて,ちがう意見を聞いて,自分で体験して,総合的に判断しましょう。