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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.96>

 SDGsを意識して脱炭素社会へ   二酸化炭素はワルモノか

 探究4で二酸化炭素の性質を確認しました。あなたは,二酸化炭素というと,どのような印象をもつでしょうか。地球温暖化の原因で悪い物質?毒?二酸化炭素を出してよいのでしょうか?

 わずかであっても二酸化炭素を出さない,というのは科学的な考え方ではありません。それより,探究を通して,みなさんが二酸化炭素の存在を正しく知り,将来科学的な対策を考えられる人になることを期待されています。

 たとえば,石灰石約1gに塩酸を加えた実験で発生する二酸化炭素は約0.4g。一方,私たちが呼吸により排出する二酸化炭素は1人当たり1年間で約360kg。そして,化石燃料を使用することによる二酸化炭素排出量は,日本人1人あたり1年間で約8000kgと,規模がまったくちがっています。

 二酸化炭素は,空気中にもともとあり,熱を保つはたらきがあります。そのため,地球があたたかく過ごしやすい気温に保たれている原因のひとつでもあります。ただし,私たちが膨大な量を発生させて,地球温暖化が進んでいることは問題です。

 何となくの印象ではなく,事実や規模のちがいにもとづいて問題を考えていきましょう。


 発展 

 大気中の二酸化炭素の濃度は,年ごとに高くなっている(図18)。この濃度の増加の原因として,石炭や石油・天然ガスなどの化石燃料の大量消費,世界的な規模での森林の減少などが考えられている。

 一方,地球の年平均気温は,少しずつ上昇している(図19)。これを「地球温暖化」といい,その原因の1つとして二酸化炭素の濃度の増加が考えられている。本来二酸化炭素は,植物などが十分に吸収してつり合いが保たれていたが,現在はちがう。つり合いが急にくずれることが問題になっているのである。

 地球温暖化が加速すると,農作物を育てづらくなったり,大きな自然災害が増えたりすることが予想される。そのため,世界的に対策が取られている。

ppmは百万分率のことで,1ppm=0.0001%である(→p.224)。現在の二酸化炭素の濃度は約0.04%である。

図18 大気中の二酸化炭素濃度の変化(体積比)❶

年平均気温は,年によりゆらぎがあるため,それをふまえて長期的な傾向を考える。

図19 地球の年平均気温の変化❷

❶ 出典:気象庁ウェブサイト資料「二酸化炭素濃度の経年変化」
❷ 出典:気象庁ウェブサイト資料「世界の年平均気温」

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