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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.110>
2 生物量のつり合い
自然の状態で,生物量は時間とともに変動している(図13)。これは,食物の量や,その生物を食べる動物,気候や病気など,生物量を増やしたり減らしたりする環境の要素が影響するためである。
たとえば,「食べる・食べられる」の関係を考えると,食べる生物の生物量が多ければ,食べられる生物の生物量は減る。食べられる生物の生物量が少ないと,食べる生物の食物が減ってしまうため,食べる生物の生物量は減る(図14)。このように,生物量は常に変動しているものの,長い時間でみるとつり合いは保たれていることがわかる。
たとえば,動物のある種類について考えます。食物の量が十分にあると,個体がどんどん増えていくことが考えられます。すると,今度は食物が足りなくなり,同じ種類の個体の間で食物のうばい合いが生じます。個体が少なければ,食物が十分にあることになり,今度は増えやすくなります。このように,動物の食物1つとっても,生物量が増減することが考えられます。
動物の個体数は,さまざまな環境の要素のため変動している。このように,個体数からでもおおまかな生物量の変動を知ることができる。(ロイヤル島,アメリカ)
図13 個体数が変動する例❶
グラフの単位は千頭。カナダオオヤマネコの食物はカンジキウサギであり,それぞれの個体数の関係によりグラフのような変動が現れる。(カナダの調査)
図14 「食べる・食べられる」の 関係にある動物の個体数❷
❶ 出典:Ecological Studies of Wolves on Isle Royale Annual Report 2021-2022 , Michigan Technology University
❷ 出典:Fluctuations in the Numbers of the Varying Hare(Lepus americanus), The University of Tronto Press, 1937