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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.112>

 SDGsを意識して脱炭素社会へ   炭素の大循環

 光合成の原料(水や二酸化炭素を構成する水素,酸素,炭素)は,地球上に無尽蔵にあるわけではありません。これらの物質は,生物が地球上に発生して以降,生物や大地の変動などのはたらきによって地球上を循環しながら,生物に何度も使われているといえます。

 炭素に注目すると,地層ができるような長い時間の中では,その一部は地球表層にたくわえられます。たとえば,石炭は植物に由来し,石油のもととなる原油は,海底に積もった生物の死がいに由来します。つまり,炭素が循環の途中で地層にとどまっていることになります。

 しかし,炭素循環の途中で地層中にとどまっていた太古の有機物を,私たちはエネルギー資源(化石燃料)として大量消費し,二酸化炭素として大気中に排出しています。この二酸化炭素が地球温暖化の一因となっているため,私たちは化石燃料にたよらない社会を模索しています。

この図は,人間活動の影響がないとした場合の炭素の循環を表していて,矢印は炭素をふくむ物質の移動である。サンゴは炭酸カルシウムをつくる性質があり,その炭酸カルシウムは海水中に溶けている二酸化炭素とカルシウムからつくられている。さらに,サンゴの死がいなどは長い時間の間に積み重なってサンゴ礁になり,さらに時間が経つと,サンゴ礁は石灰岩になる。つまり,炭素が岩石となってとどまっているといえる。このような堆積物中(石灰岩をふくむ)に存在する炭素は非常に多い※。それ以外の炭素,たとえば大気中の炭素(二酸化炭素)の量は,地球規模からすればごくわずかであるが,それでも,わたしたちの生活への影響は大きい。
①海水中を沈んでゆく有機物 (マリンスノー)
②石灰岩
③原油

※ 出典:Encyclopedia of Paleoclimatology and Ancient Environments, Springer, 2009

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