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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.231>

資料 質量の基準が変わりました

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質量をはじめとして,正確な量をはかることは,日常生活でもとても大事です。もし,100gという表示の同じ商品が,実はまちまちだったら不公平ですね。1回の分量が決められている薬が,実は多かったら,害が生じるかもしれません。

●てんびんと質量

 探究活動で使われている上皿てんびん(図(a))は,左右の皿にはかりたい物体と分銅をのせ,質量が同じならば,てこがつり合うしくみです。分銅は,10g,5g,1g,100mg,10mgなどがいくつかずつ用意されていて,つり合ったときの分銅の質量の合計がはかった物体の質量です。

(a)上皿てんびんと分銅 てこの支点から等しい距離に皿があり,両側にかかる力の大きさが等しいとつり合う。分銅はきずついたり汚れたりして質量が不正確にならないよう,慎重にあつかう必要がある。

●質量の基準となる分銅をどうつくるか

 1kgという単位は世界共通です。そのもとになる重さは,人がつくった,ある分銅でした。かつて「国際キログラム原器」(図(b))という特別な分銅が世界に1つだけつくられ,この質量が1kgであると定められたのです。また,各国用に原器が複製されて,それぞれの国で正確な分銅を製造するときの基準とされてきました。

 ところが,長い年月の間の劣化で国際キログラム原器がごくわずかに変化していることがわかり,問題になりました。そして,2018年,物理学の理論にもとづいた新しい質量の定義への変更が国際的に決定されました。日本でも,この理論にもとづく質量測定実験を行い,質量の基準となる新しい分銅をつくりました(図(c))。現在ではこれらをもとに,日本で使う分銅が製造されています。

(b)国際キログラム原器

(c)新しい質量の基準 日本では,シリコン(ケイ素)の結晶でできた完全な球体を作製し,この球体をもとに,新しい質量の基準がつくられた。

●電子てんびんで質量をはかれるのはなぜ?

 ばねばかりは,フックの法則を利用して力の大きさをはかる道具で,重力の大きさ(重さ)をはかることができます。台ばかり(p.132)もばねばかりの一種で,本来ならば重さをはかることしかできません。しかし,質量の単位であるgの目盛りをつけ,質量をはかる道具としても使われていて,日常では困ることはありません。

 電子てんびんも,ばねばかりの一種です。というと重さをはかっているようですが,電子てんびんを製造するときは,分銅を使って,正確な質量の値を示すように調整されます。また,科学者が精密な実験に使用する電子てんびんの中には,分銅が内蔵されている形式もあります。このようなしくみであれば,たとえ月面上であっても,常に正確な質量を示します。

電子てんびんにデジタル表示された数字を見たとき,本当に正確だろうかと感じたことはありますか?そんなときも,分銅を電子てんびんにのせることにより,表示が正確であるか確認することができます。

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