※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.239>
発展 プレートの動きを海山列で知る
●西へ行くほど古いハワイ諸島
太平洋の伊豆・小笠原諸島は,海洋プレートが海溝から沈みこんだところで生じたマグマの活動(p.192)によってできた火山による島々の列です。一方,太平洋の真ん中にあるハワイ諸島は,火山島が列をなしていますが,この列島の近くに海溝はありません。どうして火山列島ができたのでしょうか。
この疑問を解くかぎは,島々の火山の年代のちがいにあります(図(a))。いちばん東のハワイ島は現在も活動する新しい火山がありますが,さらに西の島々は西へ行くほど活動した年代が古いことがわかっています。
●プレートの運動によってできた火山列島
ハワイ諸島のでき方は図(b)のように考えることができます。太平洋プレートの下にある熱源(ホットスポット)は,プレートをつきぬけてマグマを海底に噴出させ,海底火山をつくります。海底火山が成長すると,ハワイ島のように海上に出た火山島になります。
ホットスポットはほぼ動きませんが,太平洋プレートは西へ運動しているため,ホットスポットとプレート上の火山の位置はずれていきます。火山の下にマグマがなくなると,その火山は活動を停止しますが,すぐ東の海底に新たな海底火山ができます。このようにして,長い年月の間に,次々と同じ場所で新しい海底火山ができ,古い海底火山や火山島はプレートの運動によって西へと運ばれ,海底火山や火山島の列ができます。
●運動の方向を変えた太平洋プレート
ハワイ諸島の西の端から北へ向かって,天皇海山列という海底火山の列があり,北へ行くほど年代が古くなっています。天皇海山列も,ハワイ諸島とならぶ方向が大きく異なるのは,プレートの運動方向が4000万年ほど前に大きく変化したためと考えられています。