※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.202>
SDGsを意識して脱炭素社会へ 各地からのレポート(食料)
さいたま市では,ヨーロッパ野菜の栽培に取り組んでいます。イタリア料理やフランス料理の店は市内をはじめ関東近郊に多いため,新たな事業の創出になり,レストラン側は新鮮な野菜を手に入れやすいというメリットがあります。環境面でも,流通経路が短くなるため,輸送のときの二酸化炭素排出量が減らせます。
新潟市では,「都市と田園が共存する強み」をいかして,農業を教育・福祉などの幅広い分野と連携させています。デジタル技術による農業の生産性向上,バーチャル都市等を活用した販路拡大,幼稚園から高校での「食」と「農」の体験活動,食品ロス削減の促進などを行っています。
千葉県木更津市は,一人ひとりが自立し,つながり,人と自然が調和した持続可能なまちづくりを目指し,経済・社会・環境の統合的な取り組みを進めています。 この取り組みはSDGs の達成にも貢献しており,その一つとして,市内の公立小中学校の給食に農薬・化学肥料を使用せず栽培したお米を提供したり食育活動を行ったりするほか,地域の農業や産業の促進を進めています。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.203>
愛媛県のある企業では,みかんの生産から販売までを一貫して行っています。栽培した果物を組合員から全て買い取って農家収入を安定させ,まちの高齢化・人口減少が進むなかで,持続可能なまちづくりが実現されています。
青森県には,多様な技術を活用した農業を実現している企業があります。AI活用による雑草検知やドローンによる薬剤散布,リモートによる水位・水温検知などです。省エネルギーにも直結した農業になっています。
農林水産省は,日本の優れた農業技術をいかして農産物を他国で生産する取り組みを行っています。この活動は,インドで,キャベツ等の農産物生産を通して女性の経済的・社会的自立を支援することにもつながりました。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.216>
資料 春に花がさく被子植物
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.217>
資料 シダ植物
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.217>
資料 コケ植物
図鑑で植物を調べると,2つの名前がかいてあります。たとえばセイヨウタンポポは,セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)とあります。
セイヨウタンポポは,日本語でつけた名前で「和名」といいます。
カッコの中にあるアルファベットの名前はなんですか?
それは「学名」といいます。学名は,国際的な約束にもとづいてつけられた生物の名前で,世界で共通して使われています。学名は2語からなり,多くの図鑑では斜体で示されています。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.219>
資料 いろいろな軟体動物
イカ,タコが同じグループなのはわかりますけど,貝もそうなんですね。すがたがずいぶんちがいますね。
オウムガイは,貝殻をもち,からだにはイカ のようにたくさんのうでがあります。また,外とう膜をもちます。イカ,ここで紹介した巻き貝や二枚貝,オウムガイには共通点が多く,いずれも,軟体動物というグループに分類されています。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.219>
資料 自ら動きまわることのない無脊椎動物
ホヤやサンゴ,カイメンは,一生のほとんどを岩などにくっついてすごし,自ら動きまわることがないため,一見すると動物ではないように思えます。
しかし,これらは海中の養分を取りこんで生命を維持し,卵でふえる動物です。
無脊椎動物の種類は多く,その特徴もさまざまです。(a)(b)のような種類もいます。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.220>
発展 変温動物,恒温動物
赤外線サーモグラフィーで撮影すると,色のちがいで温度がわかる。画面中の数字は温度(℃)を表し,室温は約25℃である。ハムスターの体温は室温よりも高く,イモリの体温は室温よりわずかに低い。
外界の温度は,季節や昼夜によって変わるが,ヒトや鳥,ハムスターの体温は,外界の温度によらず一定で温かい。このような特徴をもつ動物を「恒温動物」という。恒温動物に対して,イモリやトカゲなどは外界の温度によって体温が変わり,このような特徴をもつ動物を「変温動物」という。
恒温動物,変温動物と,動物のグループとの関係は,次のようになっています。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.220>
発展 植物,動物,どこがちがう
そもそも,植物と 動物って,どうやって 分類しているの?
植物と動物を区別するとき,おおまかには上図の箇条書きに示したように考えることができる。ただし,食虫植物のように,ほかの動物から養分をとる植物もいれば,p.219のサンゴのように自ら動きまわることのない動物もいるなど,自然は多様である。
なお,植物でも動物でもない生物も多くいて,海藻のなかま,キノコのなかま,ミドリムシなどの微生物のなかま,細菌などがそれに当たる。くわしくは3学年で学ぶ。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.221>
発展 植物ではない「海藻」
海水中にすむコンブやワカメ,アオサなどの海藻のからだには,根,茎,葉の区別はない。また,種子はつくらず,多くは胞子でふえる。海藻には緑色をしている種類も多く,自ら養分をつくることができ,一見植物のようだが,生物学的には植物というグループには属さない。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.221>
発展 植物ではない「キノコ」
カビやキノコなどは,菌類とよばれるグループである。そのからだは,菌糸とよばれる細長い糸のようなつくりの集まりでできている。有機物のまわりでふえ,からだの外から養分を取りこみ,自ら養分をつくることはできない。主に胞子でふえ,一部は胞子をつくるときにキノコの形になる。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.222>
資料 密度で犯人を探せ
紀元前3世紀,ギリシアの自然哲学者アルキメデスに,こんな逸話が残っています。
アルキメデスは,国王が職人に作らせた王冠が純金かを調べる仕事を依頼されました。それは,国王から渡された純金の一部を職人がぬすみ,それと同じ質量の安価な銀を混ぜて,国王から渡された純金と同じ質量にしてごまかしている──といううわさを国王が耳にしたからでした。銀を混ぜた金は純金と見た目の区別がつきづらく,また,国王が渡した純金と質量が同じなので,盗んだ証拠がつかめなかったのです。
アルキメデスは,よい方法がないか考え続けていたある日,町の共同浴場に行きました。浴そうにからだを沈めたとき,あふれ出る湯を見て,すばらしいアイデアが浮かびました。彼はうれしさのあまり「エウレーカ!(みつけたぞ!)」とさけび,はだかのまま家にとんで帰りました。
彼は,すぐに実験にとりかかりました。まず,王冠と同じ質量の金のかたまりを用意し,水を満たした容器に入れて,あふれ出た水の体積をはかりました。次に,同じようにして王冠も調べました。「もし,王冠が純金ならば,同じ体積の金のかたまりを入れたとき,同じ量の水があふれ出るはずだ」と彼は考えました。実際にやってみると,あふれ出た水の量は王冠の方が多く,王冠は純金ではないとわかったのです(右図)。
アルキメデスが利用した物質の性質は,金や銀といった物質がそれぞれ決まった密度(p.56)をもっていること,金と銀では同じ質量でも体積が異なることです。ただしそれだけでなく,複雑な形をした王冠の体積を調べる具体的な実験方法が必要でした。王冠を高温でとかして,金属のかたまりにもどすわけにもいきません。「水をはった容器からあふれ出た水の体積」は「物体の体積と等しい」,アルキメデスが共同浴場でひらめいたこのアイデアこそが,国王から依頼された仕事を達成する決め手となりました。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.223>
資料 混ぜるな危険
洗剤や漂白剤,カビ取り剤などに「まぜるな危険」の表示を見かけることがあります。この表示があるのは,それらの洗剤などの中でも,「塩素系」「酸性タイプ」と分類されているものです。
p.74〜81では,いろいろな気体を発生させる方法を学びました。「塩素系」の漂白剤やカビ取り剤などと,「酸性タイプ」の洗剤や漂白剤を混ぜると,気体の塩素が発生します。塩素は有毒で,目,鼻,のど,肺をいためるなどの害があります。
お風呂の掃除などで,しめきって2種類の薬品を使い,実際に害が出る事例も起こっているので,十分に気をつけましょう。特に塩素系洗剤にふくまれる成分は,皮ふをいため,目に入ると危険なので,ゴム手袋,保護めがねを身につけるなどの対応が勧められています。
塩素系の漂白剤やカビ取り剤などは,理科の実験であつかうとしたら,必ず保護めがねを使用しなければならない薬品をふくんでいます。日常でも注意してあつかう必要があります。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.223>
資料 アンモニアを使った噴水
アンモニア(p.79)が水に非常によく溶ける性質と,水溶液がアルカリ性を示す性質を利用して,フラスコの中に赤い噴水を生じさせる実験があります。
図のように装置を組み立て,フラスコにアンモニアを満たします。はじめにフラスコの中にスポイトで少量の水を入れると,その水にアンモニアが溶けてフラスコ内の気体が少なくなり,ガラス管を通って水が下のビーカーから吸い上げられます。すると,その水にさらにアンモニアが溶けてフラスコ内の気体が少なくなり,それがくり返されることで,吸い上げられた水が勢いよく噴水となります。
下のビーカーの水に「フェノールフタレイン溶液」という薬品を溶かしておくと,アンモニアが溶けた水が赤色になり,赤い噴水となります。
注意!! 実験を行うときは,保護めがねをかけ,換気に注意する。
フェノールフタレイン溶液は,酸性や中性の水溶液中では無色ですが,アルカリ性の水溶液中では赤色に変化します。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.224>
資料 環境問題で聞く「ppm」
環境問題として空気中や水中などの有害物質のことが話題となるとき,「川の水に〇〇ppmの〇〇がふくまれ……」などのように,ppm(ピーピーエム)という言葉を見聞きすることがあります。このppmは,質量パーセント濃度(p.66)と同じように,濃度を表すときによく使われる単位です。
1 ppmは100万分の1を表します。1 %が100分の1を表して100分率というのに対し,ppmは「百万分率(英語でparts per million)」といいます。
環境問題の話題で,%でなくppmが使われるのはなぜでしょうか。環境問題では,水や空気,食べ物などにごくわずかにふくまれているだけで,環境や健康に害をあたえる物質がよく話題となります。これらの濃度を%で表すこともできますが,小数点以下にゼロがいくつもならぶことになり,あつかいづらくなります。そこで,ppmを使うと,同じ濃度でも0.0001%を1ppmと表すことができ,ごくわずかにふくまれる物質の濃度を表すのに適しているのです。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.224>
資料 石油を蒸留する
地中からくみ上げられた石油は原油とよばれ,沸点がちがういろいろな有機物が混ざった混合物です。
石油精製工場に運ばれてきた原油は,ガソリン,灯油,軽油,重油などのさまざまな石油製品に生まれ変わります。
石油精製工場では,原油を350℃に加熱して気体にし,蒸留装置(精留塔)の中にふきこみます。蒸留装置は,図のように内部が複数のたなでしきられていて,この中にふきこまれた原油は冷えて液体になります。このとき,液体になる温度(沸点)が高い成分は下のほうのたなで,沸点が低い成分は上のほうのたなで,液体となります。
このようにして,沸点のちがいによって,原油から有用な成分を分けて取り出しています。
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.225>
資料 見たことないかも,この物質のこの状態
※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.225>
資料 液体を経ない状態変化
保冷剤に使われるドライアイス(固体の二酸化炭素)のように,固体から液体にならないで直接気体になったり,気体から直接固体になったりする物質もある。
注意!! ドライアイスは直接手でさわらない。
注意!! 破れつの危険があるので,袋のふくらみを確認したら袋の口を開けておく。