※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<<2年p.68>
1|細胞
物質は原子からできていて,物質の基本となる単位は化学式で表すことができた。この章では,「生物を構成する基本となる単位」を考えていこう。それを探すために,さまざまな生物について,まずは顕微鏡で調べてみよう。
顕微鏡観察用具とは,顕微鏡の他に下のような用具です。ここでいう顕微鏡は,「透過型顕微鏡」のことで,試料の下から光を当てて,通りぬけた(透過した)光で観察するところが,双眼実体顕微鏡とは異なっています。

探究1 顕微鏡を使って表皮を観察する
準備
タマネギやピーマンなど,カッター,顕微鏡観察用具
① タマネギやピーマンの表皮を取る。
② 表皮をスライドガラスに置き,プレパラート(顕微鏡で観察できるようにした試料)をつくる。
図1 表皮を顕微鏡で観察したようす
※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.246>
基本操作 (透過型)顕微鏡の使い方
一般的な顕微鏡では600倍くらいまで拡大できる。プレパラートを作成することで,試料の細かなつくりを観察できる。
光源には,照明装置を使う形式と,反射鏡に光源装置(蛍光灯など)の光を反射させて使う形式があります。

※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.69>
1 細胞
タマネギなどの表皮を顕微鏡で観察すると,小さくしきられたようなものが集まっていることがわかる(図1)。このしきりに囲まれた1つひとつが細胞である。
細胞は生物のからだをつくる基本単位で,すべての細胞は酸素を取り入れ,二酸化炭素を排出している。このはたらきを細胞呼吸(内呼吸)という。
また,細胞が生命を維持するためには養分が必要である。養分は酸素とともに細胞外から取り入れられ,細胞内では,養分と酸素が結びつけられてエネルギーが取り出される。その結果,二酸化炭素と水などがつくられ,細胞外に排出される(図2)。このとき得られたエネルギーで細胞の生命が維持される。
2 単細胞生物
水中の小さな生物であるミカヅキモやゾウリムシなど(図3)のからだは1つの細胞からできている。このように1つの細胞からなる生物を単細胞生物という。

水中の微生物は,いろいろなところにいます。たとえば池の底や水そうの内側のぬめりを採取し,顕微鏡で観察してみましょう。
❶ 細胞呼吸に対して,動物の肺やえらで行われる酸素と二酸化炭素の交換は,外呼吸という。(→p.111)
❷ 生物が生命を維持したり,成長したりするためには,さまざまな物質が必要である。このような物質のうちの水以外を,この教科書では「養分」とよぶ。
ニュース
- 針葉樹と広葉樹の中間の樹木とは 2025年12月10日植物には,マツのように,固くて細い針のような葉をつける針葉樹と,サクラのように,幅が広く比較的うすい葉をつける広葉樹があります。これらの樹木で,葉以外のつくりの違いをくわしく調べたところ,針葉樹と広葉樹の中間的な特徴をもつ樹種が発見されました。中間的というだけではなく,針葉樹・広葉樹のどちらとも異なる長所も見つかっています。 樹木には,細胞壁をつくるごく細かい繊維構造である「マクロフィブリル」という部分があります。このマクロフィブリルの大きさは,針葉樹では約25nm※,広葉樹では約15nmとなるのですが,ユリノキのなかまでは,このマクロフィブリルがこれらの中間的なサイズである約20nmであることがわかりました。この樹種からつくられた木材は,中間的なサイズであることから「ミッドウッド」と名づけられています。ユリノキは成長が早く,樹高40〜45mに達し,また大量の二酸化炭素を蓄える能力をもつため,大気中の二酸化炭素を貯蔵しておくのに非常に効果的であることが判明しました。 ユリノキのなかまの進化の道すじは,約3000万〜5000万年前にモクレンのなかまから分岐したことがわかっていますが,これは地球の大気中からCO2が急激に減少した時期と一致しており,炭素貯蔵能力の進化と関連している可能性も示唆されています。この特性は,昨今の気候変動対策にも有用であり,天然の“炭素の貯蔵庫”としての活用が期待されています。 ※ナノメートル:1ミリメートルの100万分の1 もと記事リンク(外部サイトに繋がります。公開から時間がたつと繋がらない場合があります)
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