中学校理科でウサギと言えば,「カンジキウサギとオオヤマネコの個体数変動のグラフ」でしょう。
カンジキウサギは,北アメリカの雪深い地域に暮らすウサギです。カンジキの名前の通り,雪に沈みにくい大きな足裏をもち,強い脚で一日約8キロも駆け回ることができます。とはいえ厳冬期には木々も葉を落とし,草は分厚い雪の下。厳しい冬を乗り切るため,カンジキウサギはなんと肉食をします。狩りをするのではなく死体の肉を食べる腐肉食ですが,ときには天敵のオオヤマネコの肉を食べることもあるそうです。 近年の研究では,個体数が激増した後に減少する理由として,エサとなる植物の減少やオオヤマネコによる捕食に加えて,生息地に肉食獣が多いとストレスを感じてあまり繁殖しなくなるという説が唱えられています。