ハリガネムシはカマキリなどの昆虫に寄生する生物で,自らの繁殖場所である川や池に移動するために,陸上生物である宿主の行動を変化させ,川や池に入水させることで知られています。
これまで,ハリガネムシに寄生された昆虫は,水面に反射する光に誘引されていると言われていました。しかし,自然界には水面以外にも光を反射する物が多く存在する中で,なぜ水面に宿主を誘導できるのかは分かっていませんでした。 今回の研究で,ハリガネムシに感染したカマキリは,水面に反射した光に多く含まれる「水平偏光」に強く誘引されることが分かりました。ハリガネムシは,宿主の水平偏光に対する感受性を操作し,水に飛び込ませているのです。