京野菜の一種であるミブナは,同じ京野菜のミズナと分類学上は同一の種ですが,ミブナは丸いヘラ形の葉,ミズナは深い切れ込みのある葉という形態上の違いがあります。
ミブナとミズナに対しゲノムシークエンス解析を行ったところ,葉の形態に関わるBrTCP15という遺伝子に違いがあることが分かりました。また,古文書を調査したところ,1800年代中頃~後半でミブナの葉が切れ込みのある葉からヘラ形へと変化していること,そのころのミブナにはカブのような大きな胚軸があることが分かりました。そこでカブの遺伝子を調べたところ,ミブナのBrTCP15遺伝子とよく似た配列をもつ品種が見つかりました。ミブナの変化には,カブとの交雑が関連している可能性が示唆されます。