卵で育つ動物では,母体とつながる必要はないので,当然おへそもありません。しかしつい先日,約1億3000万年前の白亜紀前期に生きたプシッタコサウルス(Psittacosaurus)という恐竜の化石に「おへその跡」があったという論文が発表されました。
おへそといっても,私たち哺乳類のような丸いものではなく,細長い縦線のような形です。これは正確には「臍孔(さいこう)」といって,カメの赤ちゃんやヒヨコなどが孵化したばかりの時にお腹にくっつけている栄養がつまった袋(卵黄嚢)がつながっていた所の跡です。爬虫類では普通,臍孔は成長とともに消えてしまうのですが,まれに臍孔が残ったまま大人になる場合があるとのこと。このプシッタコサウルスも,そんな個体だったのかもしれません。史上初の「恐竜のおへそ」,ぜひ記事で写真も確かめてみてください。