これまで日本人は縄文系と,稲作とともに大陸から渡来してきた弥生系の二つの人類集団にルーツがあると考えられてきました。 今回,金沢大学などの研究チームは,金沢で発掘された古墳時代の古人骨をはじめ,日本やアジアの各地で出土した古い人骨のDNAを分析しました。その結果,弥生人は北東アジアの人の特徴をもち,古墳時代の人は東アジアの人の特徴をもっていること,古墳時代の人は現代の日本人とほぼ同じ遺伝子の構成をもつことが分かりました。このことから,日本人は二つではなく,三つの人類集団にルーツをもつという可能性が示唆されました。