オーストラリアの研究者が,重量わずか1グラム,ワイヤレス,簡単には外れないが遠隔操作で着脱可能な画期的な鳥類追跡装置を開発しました。このような装置は,人間が観察するだけでは分からない動物の生態の解明に役立っています。
しかし,この画期的な装置をカササギフエガラス(スズメ目フエガラス科)に取りつけたところ,思わぬことが起こりました。なんと,自力では届かない背中に取りつけた装置を,仲間の鳥が試行錯誤の末に外してしまったのです。結局,とりつけた5台の装置は次々と外されてしまい,研究はとん挫。データが取れない代わりにカササギフエガラスの賢さと協調性が明らかになるという,予想外の結果となりました。 研究チームは,高度な社会性をもつ生物に追跡装置を付ける場合,その動物が協調性をもって装置を外す可能性も考慮したほうがいい,と論文で提案しています。