アジアでは,揚げ物を作る際に「熱した油に濡らした菜箸をつけて温度を測る」ということが広く行われていますが,意外にも,その現象を科学的に説明する研究はなされてきませんでした。
そこで,高感度のマイクと高速度カメラを用いて,湿らせた菜箸などを高温の油に入れたときの反応を記録したところ,油の中で生じた泡による空洞が非常に複雑な物理現象を引き起こし,条件によって泡の出方や生じる音響がさまざまに変化していることが分かりました。実験を行ったヂャオ・パン(Zhao Pan)教授は,「目と耳によるこのシンプルな測定は誤差約5~10%の範囲で正確。揚げ物をする際の通常の温度が150℃以上であることを考えると悪くない」と述べています。