人類が初めて地球以外の天体に降り立ったのは,1969年のアポロ11号の月着陸ミッション。このとき採取された月面のサンプルは,人類が採取した地球外の物体の最初の例となりました。
月には大気がないため,月面の塵は常に太陽風(太陽から噴き出すプラズマの流れ)にさらされて静電気を帯びています。採取されたサンプルを入れた袋にも月の塵は付着し,サンプル袋を納めた保護袋の内側にも入り込みました。 月の塵が付いた保護袋は展示のためにNASAから貸し出されましたが,展示館の館長によって密かに売却されてしまいます。その後も数奇な運命をたどった月の塵の一部が,2022年4月13日にオークションに出品され,約6300万円で落札されました。