お正月の定番,お餅。餅に使うもち米は,胚乳に含むデンプンのほぼ100%が,グルコースが枝分かれしながらつながった「アミロペクチン」です。
水を含むと枝分かれした鎖が絡み合うので,もちもちネバネバの食感になります。一方のうるち米のデンプンは,グルコースが一本鎖につながった「アミロース」を15~30%含み,もち米ほどは粘りません。 では,もち米とうるち米を混ぜて育てたら,どうなるでしょう? イネは基本的には開く前に花の中で自家受粉するので,ほとんどの種子(米)は親株と同じ性質になるはずです。しかし交雑が起こった場合,被子植物であるイネでは,胚も胚乳も花粉の精細胞と受精してできます。もちとうるちでは,顕性なのはうるち性なので,交雑した粒はすべて胚乳でアミロースをつくるうるち米になります。