これまで,CT検査などさまざまな病気の診断において,X線を吸収する「造影剤」と呼ばれる薬を血管内に注入し,体の組織と造影剤が流れる血管のX線吸収率の差を使う方法が多く行われてきました。
しかし,これからは全く新しい方法で,より細かい血管まで見ることが可能になるかもしれません。対象物に特殊な「光」を当てて,発生した「音」を処理・画像化するという光超音波イメージング技術の開発により,直径0.2mmほどの微細な血管まで,数分程度の短時間で画像化することが可能になりました。この技術を用いた「光超音波イメージング装置」が医療機器としての承認を取得したことから,近い将来,造影剤に過敏症をもつ人など,従来の検査が受けられない人も安心して血管の検査ができるようになるかもしれません。