ドイツのドレスデン美術館が所蔵しているフェルメールの初期の傑作「窓辺で手紙を読む女」が修復され,背景の壁の部分に隠されていたキューピッドの画中画がよみがえりました。 1979年のエックス線調査などにより,絵の下にキューピッドが隠されていることはすでにわかっていました。今回,キューピッドを隠している部分の絵の具の層を少量採取し,顕微鏡などを用いて詳しく分析したところ,フェルメールが絵を仕上げ,数十年ほど展示された後に,別人が壁の部分を上塗りしたことが判明。本来の状態に戻すための修復が施されました。キューピッドがよみがえったこの絵は,ドレスデン美術館で展示され,その後2022年1月22日から東京都美術館で展示予定です。