アメリカの漫画のキャラクター「ガーフィールド」のようなしま模様のネコは,「トラネコ」とも呼ばれ,身近な存在です。
トラネコの特徴的なしま模様をつくり出す遺伝子は,受精後間もない胚の皮膚細胞で活性化され,「Dickkopf WNT Signaling Pathway Inhibitor 4」(DKK4)という遺伝子を発現させた細胞が皮膚細胞の厚みの差を生じさせ,厚くなった部分の皮膚には濃い色の毛が誘導されることがわかりました。 胚の皮膚に生じる厚みの差がつくり出すしま模様のパターンは,第二次世界大戦中にエニグマの暗号を解読したアラン・チューリングの理論で説明ができることもわかり,動物たちの多様な体の模様がどうやってできたのかという謎の解明にもつながる可能性があります。