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ついに公開,iPS細胞@大阪万博

大阪にて開催された2025年日本国際博覧会(大阪万博)では,さまざまな先端技術に出会うことができますが,最も注目を集めている研究成果の一つに,iPS細胞によってつくられた,iPS細胞由来の心筋細胞シートがあります。
わたしたちの心筋細胞は,個々の細胞が自発的に拍動する力をもちつつ,集まった多数の細胞がリズムを合わせて動くことで,全身に力強く血液を送り出しています。この性質をもとにつくられたのが,ヒトiPS細胞由来の心筋細胞を使用した心筋細胞シートです。シートは,傷ついた心臓に移植されると,血管の新生や組織の修復を促す新たな治療法につながることが期待されています。また,移植にともなう手術もわずかな開胸で済み,シートを貼り付けてから約6時間後には心臓とシートが相互作用を始め,回復が進みます。この治療法は,副作用も確認されておらず,これまで対処の難しかった重度の心不全患者に新たな選択肢を提供できる可能性があるものです。
大阪万博では,直径約3センチの心臓の形をしたコラーゲン製の膜に,iPS細胞に由来する心筋細胞を染み込ませてつくられた「ミニ心臓」という模型が展示されています。これは,培養液内で独立して,自発的に拍動する小さな心臓を直接見ることができるものです。日本発の最先端の再生医療技術を多くの人が知ることのできる,貴重な機会となることでしょう。

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