米カリフォルニア州で,野生のジリスがノネズミを捕食する行動が初めて確認されました。リスのなかまには,これまでに肉食性が報告されていた種類もいるものの,げっ歯類が実際に生きた脊椎動物を捕食する記録は非常に珍しく,変化する生態系への適応と考えられています。
今回の調査は,この10年ほどの間にノネズミが急増した地域で行われたもので,タグの装着などによって追跡調査を可能としたジリスの行動を観察するという手法がとられました。その結果,両者が接触すると,うち42%にあたるケースでジリスによるノネズミの捕食が記録されました。さらに,一方的な被食ー捕食関係だけではなく,両者の間には捕食に準じるような飛びつき・噛みつきといった攻撃的な行動や,さらには,あいさつ・遊びなどの非敵対的な行動も見られたということです。
今回の成果を受けて,改めてリスは植食性動物ではなく「日和見的な雑食動物」に分類するのが妥当だろうとする専門家もおり,環境の変化に対する生物の適応能力の一端を実際に示した研究として位置付けられています。
もと記事リンク(外部サイトに繋がります。公開から時間がたつと繋がらない場合があります)