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白髪にはセロリとブロッコリーが効く?

名古屋大学の研究チームは,白髪の原因とされる,メラノサイト幹細胞の減少や老化という現象に着目し,セロリやブロッコリーなどの野菜にふくまれる物質である「ルテオリン」の白髪抑制効果を調べました。
研究には,体毛が通常より早く白髪化する遺伝子組換えマウスを用い,ルテオリンを皮ふに塗った場合と経口投与した場合の影響を調査しました。その結果,どちらの場合であっても,ルテオリンを与えたマウスでは白髪の増加が抑制され,特に,毛根のメラノサイト幹細胞が維持される傾向が確認されました。また,ルテオリンが与えられたマウスでは,細胞老化の指標となるタンパク質の発現も抑えられていました。つまり,ルテオニンには,見た目上の白髪の増加を抑えるだけではなく,毛根そのものを若々しく保つ効果があるといえます。
この研究により,セロリやブロッコリーなどにふくまれるルテオリンが白髪の進行を防ぐ可能性が示されましたが,ヒトへの応用にはさらなる臨床研究が必要です。
なお,この研究の特筆すべき部分は,研究成果はもちろんですが,”同じ研究チームがこれまでに開発した,通常よりも白髪になりやすい,遺伝子組換えマウスを使用している”点にあります。教科書(3学年p.51「理路整然」)にも書かれている通り,適切な結果を得るために,最適な実験材料を用意することの重要性がわかる研究事例のひとつと位置付けられるでしょう。

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