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春先に天候不順が多い理由

春先,だいぶあたたかくなってきてそろそろ春かと思っていた矢先,突然,一気に真冬に逆戻りしたような寒さに襲われることがあります。今年も3/19に,東京で積雪が観測されました。ときに大雨や大雪をもたらしてわたしたちの生活に大きな影響を与える,「南低」ともよばれる南岸低気圧は,冬から春にかけて日本の太平洋側で発達しますが,春先になぜ発達しやすいのか,これまで解明されていませんでした。
このしくみについて,筑波大学・東京大学・京都大学の共同研究により,日本の太平洋側で発生する南岸低気圧が春に活発になる理由が解明されました。過去40年間の全球大気データを分析した結果によると,冬から春にかけてユーラシア大陸の大気があたためられ,低気圧性の流れが発生します。それにともない,中国華南から東シナ海にかけてジェット気流が発達し,東シナ海周辺で前線が多く発生することで低気圧が生じやすくなります。この低気圧は,南からの水蒸気と雨をともないながら発達し,日本の本州南岸に達していることがわかりました。研究グループは,この発見が日本や東アジアの季節予報の精度向上や,温暖化の地域的影響の理解に貢献するものと期待しています。

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