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地球の自転,最近の不思議な加速

現在,実は,地球の1日が少しずつ短くなっているという現象が起きています。特に,2025年7月10日は,2025年で最も短い1日となりました。これは,地球の自転速度が上がっているためです。国際地球回転・基準系事業(IERS)や米海軍天文台によると,この日は通常の1日よりも約1.38ミリ秒短かったそうです。この自転加速の原因については,まだ完全には解明されていません。
自転速度の変動にはいくつかの要因が考えられます。月の引力は地球の自転を加速させたり減速させたりしますし,ジェット気流のような大気の動きも,全体の運動量を保つために地球の自転に影響を与えます。さらに,地球の内部,特に中心にある核の動きが遅くなると,その外側が速く回転してバランスを取ろうとする現象も考えられています。
地球の歴史全体で見れば,月の影響などで1日は徐々に長くなってきましたが,近年は一時的に短くなる傾向がみられます。このわずかな時間の変化は,私たち人間が日常生活で気づくことはまずありません。しかし,原子時計で正確な時間を管理する天文学者や,コンピューター,GPS,通信システムといった精密なシステムにとっては大きな問題となります。時間がずれることでシステムに不具合が生じる可能性があり,場合によっては,史上初の「マイナスのうるう秒」という調整が必要になるかもしれないと懸念されています。
一方で,氷の融解や海面上昇といった気候変動は,地球の自転を遅らせる方向に作用するとも言われています。このように,地球の自転は多くの複雑な要因が絡み合っており,その全容解明はまだ道半ばです。

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