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針葉樹と広葉樹の中間の樹木とは

植物には,マツのように,固くて細い針のような葉をつける針葉樹と,サクラのように,幅が広く比較的うすい葉をつける広葉樹があります。これらの樹木で,葉以外のつくりの違いをくわしく調べたところ,針葉樹と広葉樹の中間的な特徴をもつ樹種が発見されました。中間的というだけではなく,針葉樹・広葉樹のどちらとも異なる長所も見つかっています。
樹木には,細胞壁をつくるごく細かい繊維構造である「マクロフィブリル」という部分があります。このマクロフィブリルの大きさは,針葉樹では約25nm,広葉樹では約15nmとなるのですが,ユリノキのなかまでは,このマクロフィブリルがこれらの中間的なサイズである約20nmであることがわかりました。この樹種からつくられた木材は,中間的なサイズであることから「ミッドウッド」と名づけられています。ユリノキは成長が早く,樹高40〜45mに達し,また大量の二酸化炭素を蓄える能力をもつため,大気中の二酸化炭素を貯蔵しておくのに非常に効果的であることが判明しました。
ユリノキのなかまの進化の道すじは,約3000万〜5000万年前にモクレンのなかまから分岐したことがわかっていますが,これは地球の大気中からCO2が急激に減少した時期と一致しており,炭素貯蔵能力の進化と関連している可能性も示唆されています。この特性は,昨今の気候変動対策にも有用であり,天然の“炭素の貯蔵庫”としての活用が期待されています。
※ナノメートル:1ミリメートルの100万分の1

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