英ロンドン大学キングス・カレッジの研究チームは,約20年にわたり,研究室でのヒトの歯の培養に取り組んでいます。2013年にはヒトとマウスの細胞を用いた歯の培養に成功しており,2025年は培養中の歯を支える『足場』の素材で大きな進展があり,口腔内の成長環境をより忠実に再現する素材を用いることで,マウス細胞をヒト細胞に置きかえて歯を形成させるための重要な一歩となりました。
従来は成人の歯肉細胞とマウス胚の細胞を組み合わせて歯をつくる研究がメインでしたが,研究チームは,現在は細胞どうしの相互作用を促進する環境づくりに研究の焦点を当てています。研究では,マウス胚から採取した細胞を足場の素材内で約8日培養すると歯のもととなる部分が形成され,2013年の研究ではこの部分をマウスに移植して歯根やエナメル質まで発達させました。
現時点では,マウスの細胞の使用がさけられないという問題があるため,ヒトへの応用には依然多くの課題が残りますが,今回進展がみられた足場の新素材は,この問題の解決への貢献が期待されます。将来的に,培養したヒトの歯をどのように医療に使うかは,発達段階であらかじめうめこむ方法と,完全に成長させてから移植する方法の2通りが考えられていますが,どちらが現実的かはまだ不明とのことです。
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