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『腐ったミカン』の輝き―SSH校の取り組みの結果

本年度スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている,長野県の諏訪清陵高校の生徒チームは,腐ったミカンに紫外線を当てると光る現象に着目し,信州大学の協力のもと,その原因となる脂溶性(油分に溶ける)蛍光物質のひとつを特定して,さらに,その物質の化学構造を明らかにしました。今回明らかになった脂溶性蛍光物質は,ポリメトキシフラボノイドとよばれるグループの化合物の一種であり,研究ではカラマンダリンという品種のミカンを腐らせ,果皮から抽出・分析を行いました。また,別の水溶性蛍光物質の構造も推定できており,今後この構造が確定されれば,ミカンにふくまれる水溶性化合物としては初めての知見となる可能性があります。今回の成果は日本農芸化学会で発表され,企業奨励賞を受賞しました。
この研究のきっかけは,腐ったミカンが紫外線で光るというネットニュースだったそうです。これを見た,光る物質に興味を持っていた生徒の一人が,SSH課題研究として同級生と『ミカン班』を結成し,調査を始めました。『ミカン班』のメンバーは,“新しいものを見つけたい,という思いが研究の原動力”と語り,将来は天然有機化合物の研究を志しているそうです。指導にあたった教諭は,“これまでのスキルの積み重ねの結果”と評価しています。
箱の中に腐ったミカンが1つでもあると,まわりのミカンも腐らせてしまうから,しっかり取り除かなければならない―。こんな言い回しが流行した時代もありましたが,実は腐ったミカンこそ確かな輝きを放っていたようです。

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