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水兵リーベ…はもう古い?!新しい周期表の発明

2学年の教科書p.18やp.250,251には,原子の周期表が掲載されています。この周期表は,ロシアの化学者メンデレーエフが作成したもので,原子番号,すなわち,原子中の陽子の数を基準として全元素が順に並べられています。高校以降の化学では,掲載順を1から20程度まで覚える必要が出てくるため,語呂合わせで“水兵リーベぼくの船…”(H・He・Li・Be・B・C・N・O・F・Ne…)と一所懸命暗記した大人も多いことでしょう。この形の周期表は19世紀後半から長らく使われてきており,あらゆる化学の基礎ともよべる存在ですが,科学技術の進歩にともない,ドイツのマックス・プランク原子核物理学研究所の研究チームは,電子の数を基準としたまったく新しい周期表を提案しました。
メンデレーエフの周期表では,陽子(+)の数と電子(-)の数が等しい,電気的に中性な状態の原子をもとにしていましたが,新しい周期表が注目しているのは,原子中から数多くの電子をはぎ取られた「高電荷イオン」という特殊な状態です。高電荷イオンに注目する利点はいくつか考えられていますが,身近でわかりやすい事例としては,次世代の超精密な時計の開発があげられます。現在,人類の使うことのできる最も精度の高い時計は「光格子時計」とよばれるもので,数十億年に1秒も狂わない精度であることが知られています。この光格子時計は,原子が時間経過によって変化する性質を利用していますが,同じ性質をもっていて時計の材料候補に使える高電荷イオンが,新しい周期表の性質をもとにすることで,一気に700種類以上も見つかっています。
これまでの『陽子の数』というルールを『電子の数』に変えるという,きわめてシンプルで大胆なアイデアが,化学界全体に革命を起こす日も遠くないかもしれません。

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