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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.26>

1|物体の運動

 運動の記録

物体の運動をくわしく調べるためには , 物体がいつどこにあるかを正確に記録する必要がある。位置を固定したカメラを使 い,運動する物体を短い一定時間(たとえば0.1 秒)ごとに撮 影すれば,その時間ごとの物体の位置の変化を記録し(図1), 物体の運動の速さや向きを知ることができる。

レールの上を転がる球を,0.05 秒ごとに撮影して合成したようす。撮影の時間間隔が等しく,球の動きが大きい(速い)ほど球の間隔は広くなる。

図 1 運動を記録した写真

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図1では,球の動いた距離をはかるとき,球のどこをはかっていけばいいんですか?

いつも同じ場所であれば,球のどこでもかまいません。一般には,その物体の中心をはかるようにします。物体の運動を考えるときは,球でも,動物でも,点で考えることに気をつけましょう。

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 速さの求め方

 運動する物体の位置を,一定の時間間隔で記録した図1の写真では,うつっている物体と物体の間隔が長いほど,一定時間の移動距離が大きい,つまり速く動いていることがわかる。

 物体が一定時間(1秒間,1分間,1時間など)に移動する距離を速さという。速さの単位は,移動距離と時間の単位の選び方により,【センチメートル毎秒】(記号cm/s)❶,【メートル毎秒】(記号m/s),【キロメートル毎時】(記号km/h)などが使われる。

$$ 速さ〔cm/s〕=\frac{ 移動距離〔cm〕}{移動にかかった時間〔s〕} $$

小学校で学んだ「道のり」は,ここでは移動距離のことです。道のりには次の関係がありましたね。
 道のり = 速さ × 時間
 速さ = 道のり ÷ 時間
 時間 = 道のり ÷ 速さ

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❶ 「/s」は「1秒当たり」,「/h」は「1時間当たり」という意味である。80km/hは,時速80kmと表すこともできる。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.27>

 平均の速さと瞬間の速さ

 高速道路を使って,440 kmを5時間半で移動したとする。実際は途中で速さが変化するが,仮に一定の速さで移動し続けていたと考えると,速さは,

 440 km÷5.5 h =80 km/h

より,80 km/hと求められる。

 このように,途中の速さの変化を無視して,ある区間を一定の速さで移動し続けたと考えて求めた速さを平均の速さという。平均の速さに対して,ごく短い時間に移動した距離をもとに求めた速さを瞬間の速さという。

図2 自動車の速度計

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たとえば,乗用車の速度計に表示されるのは,刻一刻と変化する「瞬間の速さ」です。

 記録タイマーを使った運動の記録

 物体の運動は,次の「探究4」のように記録タイマーを用いて記録できる。記録タイマーは,一定時間ごとに記録テープに点を打つ装置で,記録テープを引いて動かすと,その速さに応じた間隔で点が打たれて,運動のようすが記録される。

実際には,速さは常に変わっていますが,この単元では「平均の速さ」として考えていきます。p.270の例題で,速さの計算に慣れておきましょう。

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 探究4   物体の運動の記録

準備 

記録タイマー,記録テープ,力学台車,はさみ,方眼紙

① 記録テープを1mほどの長さに切って台車に取りつけ,記録タイマーに通す。

② 次のA〜Cについて,台車の運動を記録する。

A  手で台車をゆっくり一定の速さで引いて動かす。

B  Aのときよりも手を速く,一定の速さで台車を動かす。

C  だんだん速くなるように台車を動かす。


 ポイント 

記録タイマーのスイッチを入れてから,一瞬おくれて台車を引くようにする。こうすると,打点が重なり合う部分をわずかにすることができる。

③ ②で記録された記録テープを,p.240の基本操作にしたがって,0.1秒ごとに切り分け,台紙に時間の順にならべてはりつける。

  • 台車をゆっくり動かしたとき(テープA)と,速く動かしたとき(テープB)とでは,記録された打点の間隔はどちらが長いか。
  • テープCを0.1秒ごとに切り分けた長さは,時間とともにどう変化したか。
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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.240>

基本操作 記録テープから運動を調べる方法

p.27「探究4」から,記録テープの打点の間隔は,記録テープを引く手の動きが速いときほど長くなることがわかる。運動の変化をくわしく調べる場合,次のように記録テープを処理する。

記録テープの間隔は,東日本と西日本で異なります。これは交流の周波数を利用しているためです。

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① 0.1秒ごと(5打点または6打点ごと)に記録テープを切り分け,最初の打点の方から順に方眼紙にならべてはりつけていく。

このとき,1つ1つの記録テープの長さは0.1秒間に手が運動した距離を表す。すると,切り分けた記録テープが長いほど速さが大きいことを示す簡単なグラフになる。


 ポイント 
 打点が重なり合う部分は捨て,打点を区別できる点から使う。

記録テープが長いほど速さが大きいことを示すので,速さの変化がわかります。

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② はりつけた0.1秒ごとの記録テープの長さを方眼紙の目盛りから読み取り,それぞれの速さを計算する。

〔計算例〕区間アの場合の速さ

 1.2cm÷0.1s =12cm/s

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計算結果をもとに,横軸に時間,縦軸に 速さをとったグラフを作成することも できます。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.241>

基本操作 台車と記録タイマーの使い方

①  記録テープを適当な長さに切って記録タイマーに通し,運動させる物体に取りつける。

② 記録タイマーのスイッチを入れて記録テープに点を打たせながら,物体を運動させる。

打点式の記録タイマー 一定の時間間隔でハンマーが振動して,カーボン紙のインクを記録テープに打ちつける。

ニュース

※科学ニュースの更新は2025年4月を目処にはじまります。

  • 【サッカー日本代表の躍進をアシスト,「VAR」のもとになった技術とは?】 2023年3月1日
    サッカーW杯,予選グループリーグの日本対スペイン戦で一躍注目を浴びることとなったのが「VAR」という技術です。 日本の三苫選手のラストパスがゴールラインを割っていたかどうか,VARによるミリ単位の判定が勝敗を分けました。 VARの仕組みは,複数の技術の組み合わせです。ボールに埋め込まれたセンサーチップなどでボールの位置をミリ単位で精密に判定し(そのため公式球は充電が必要),ロケットの弾道研究を活かした画像解析技術を用いて1秒当たり50枚という高速で撮影した画像を解析。さらに選手全員の全身29か所の動きを常に追い続けて3次元データ化する映像解析技術を加え,フィールド上のあらゆる動きを非常に精密に把握します。とはいえ判断するのはあくまでも審判。VARは属人性を完全に排除した「機械の目」として,審判を補助しているのです。 もと記事リンク
  • 【猗窩座の「破壊殺・空式」の威力を計算する】 2023年3月1日
    シリーズ累計で500万冊を超え,小中学生にも大人気の「空想科学読本」の作者が,今年アニメで放送中の「鬼滅の刃」のキャラクターのすごさを大真面目で検証した記事です。 「無限列車編」の最後,主人公たちの前に立ちはだかった強敵・猗窩座。記事では猗窩座と炎柱・煉獄杏寿郎とのバトルシーンを詳細に読み解き,人間の眼球運動の限界(0.1秒で視界を70度以上動くものには眼球の運動がついていかない)から二人の移動速度は500キロ以上と算出し,空気の密度が人体の830分の1であることから猗窩座のパンチの速度はマッハ27と導き出します。科学の切り口で見ることで,人気アニメももっと面白くなる,かも? もと記事リンク

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