※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.162>
探究1 継続観測1 太陽の観測
私たちに最も身近な天体(→p.168)といえば,太陽と月です。まず太陽から調べてみましょう。
太陽はただかがやいているだけでなくて,表面の構造が何かちがうのかな。
太陽はまぶしいくらい光っているし,月や地球の表面とは全くちがうだろうね。
太陽を観測すると何がわかるか。天体望遠鏡で太陽の表面のようすを観測してみよう。
注意!! 太陽の観測は,必ず先生の指導のもとに行う。強い熱や光で失明する危険性がある。
準備
天体望遠鏡,太陽投影板,しゃ光板,記録用紙(直径10〜15cmの円をかいたもの),クリップ(4),筆記用具,時計
1.太陽の像を投影する
天体望遠鏡を太陽に向けて,接眼レンズや太陽投影板の位置を調整する。太陽の像が記録用紙にかいた円に合うようにしてピントを合わせる。
2.黒い斑点をスケッチする
太陽の像に見られる黒い斑点が動いていく方向(西)を確認して,黒い斑点の位置や形をすばやくスケッチし,時刻を記入する。
注意!! 太陽に向けた天体望遠鏡の接眼レンズやファインダーを絶対に直接のぞかない。のぞくと,強い熱や光で失明する危険性がある。また,ファインダーを通った光でやけどをするおそれがあるので,ファインダーの対物レンズには必ずふたをする。
3.継続観測する
数日ごとに1. 2.の観測をくり返す。
ポイント
太陽の像は投影されているために裏返しにうつっている。望遠鏡の赤道儀(→p.241)のモーターをとめたときに記録用紙にかいた円から黒い斑点がずれていく方向を西と決める。
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.241>
基本操作 天体望遠鏡の使い方
① 昼間,遠方の景色をのぞいて,ファインダーと天体望遠鏡の方向を合わせておく。
② 赤道儀の極軸を北極星の方向に向ける。極軸望遠鏡がついている場合は,その視野の決められた位置に北極星が見えるように赤道儀の向きを調整する。極軸望遠鏡がついていない場合は,まず極軸とファインダーや鏡筒が平行になるようにしてから赤道儀全体の向きを調整してファインダーの中央に北極星が見えるようにする(下図)。
③ ファインダーで観測する天体を探し,低い倍率で視野の中央に入れ,天体望遠鏡の接眼レンズをのぞいてピントを合わせる。次に,高い倍率に変えていく。
天体望遠鏡の倍率の変え方
① 望遠鏡の倍率は,次の式で決まります。
$$ 倍率 = \frac{対物レンズの焦点距離}{接眼レンズの焦点距離} $$
② 対物レンズは交換できないので,接眼レンズを交換して倍率を変えます。
③ 観察する天体を視野に入れるときは,焦点距離の長い接眼レンズを選ぶと倍率が低くなり,視野が広くなり,天体を見つけやすくなります。
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.163>
- 黒い斑点の位置は,日がたつと移動していった。
- 黒い斑点が太陽の端にくると,つぶれて見えた。
図1 探究1の結果例
(b)のスケッチ例は,天体望遠鏡の像をスケッチしているため,(a)の写真とは逆向きの動きになっている。
- 黒い斑点の位置がしだいに動いていくように見えるのは,太陽が回転しているからではないか。
- 黒い斑点の形が太陽の周縁部でつぶれた形に見えるのは太陽が球形をしているためであると考えられる。
球面に丸い形があったら,球面の回転とともに,丸い形がつぶれたように見えるはずです。
回転しているということは,日がたつと,黒い斑点は見えなくなるのかな。
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.164>
探究2 継続観測2 月の観測
月の満ち欠けのしかたには決まりがあることを小学校で学んだね。
1日のうちに月を観測すると,太陽と同じように位置が変わって見えるんだよね。
月を毎日同じ時刻に観測すると,満ち欠けだけでなく,見える位置が変わるんだよね。
満ち欠けはどうして起こるんだっけ?
月が満ち欠けするしくみについて,小学校ではこのように学習しましたね。中学校では,p.184のように,地球からの視点と,宇宙からの視点で考えます。
月の位置と満ち欠けの決まりは,太陽,地球,月の位置の変化でどのように説明できるか。モデルをつくって説明する。
注意!! 夜の観測は必ず保護者といっしょに行う。
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.165>
準備
天文に関する年鑑,時計,方位磁針,懐中電灯,スケッチ用具
- 観測する場所を決め,方位磁針で南の方位を確認しておく。
- 日没直後に三日月が見えている日から,毎日または1日おきに,同じ時刻に月の見え方を2週間ほど観測する。
- 月の横方向の位置(方位)は,目印となる建物や地形をスケッチし,これを基準にして記録する。
- 月の縦方向の位置(高度)は,手を使っておおまかにはかる。
- 月の位置の記録のほかに,月の形も記録しておく。
●月の縦方向の位置(高度)は,右図のように手を使っておおまかにはかることができる。まず,片手を伸ばし,手の甲と目の位置が水平になるようにする。その上に別の手のにぎりこぶしを重ねる。こぶし1つ分が約10°である。これを月の高さまでくり返し,高さがこぶしいくつ分になっているかを記録する。
- 毎日同じ時刻に月の見える位置は,日がたつにつれ,西→南→東へと移っていった。
- 月は日がたつにつれて三日月から満月に変わった。
- ・月は図4のように地球のまわりを公転(→p.170)している。
- 月の満ち欠けは,月が太陽に照らされていて,それを地球上から見ていると考えると説明できる。
- モデルは図5のようになる。