※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.208>
2|金星の満ち欠け
太陽のように自ら光をはなつ天体(恒星)は,たがいの位置関係を変えることなく,1日や1年を周期に規則正しく動いて見える。一方,金星の位置を何日間か観測すると,星座の間を動いていくように見える(図7)。
金星は,時期によって,太陽の東側に見えたり西側に見えたりする。太陽の西側に見えるときは,明け方の東の空に太陽よりも先に昇ってくるために明けの明星となる。太陽の東側に見えるときは,太陽が沈んだあとの西の空に残って見えるためによいの明星となる(図8)。また,真夜中には見えない。
天の川に対する金星の位置が変化している。
図7 星座の間を動いていくように見える金星(明けの明星)
時期によって,金星が見える時刻も方位も変化する。
図8 明けの明星,よいの明星
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.209>
探究8 金星の満ち欠けのモデル
準備
光源,ピンポン球,厚紙の輪,糸
月の満ち欠けで学んだことをいかして,金星の見え方を理解しましょう。
おおよそ1か月おきの同じ時刻(夕方)に金星を観測すると,金星の見える位置が少しずつずれていくことがわかります。また,望遠鏡で観測すると,満ち欠けして見えます(図9)。このような見え方の変化は,「宇宙から見たとき」「地球上から見たとき」どのように説明できるでしょうか。説明するためのモデルを考えてみましょう。
金星の大きさと満ち欠けの変化が,モデル上でよくわかるように,基準になるのぞき窓(厚紙の輪)をつくりました。月の見え方を考えるときに,ほかの班がやっていて,よいアイデアだなと思ったからです。
p.206図2の月の満ち欠けのときの考え方を参考に,金星がどう見えるか考察しました。金星の場合は,地球上から見てどこが正面か,地球との距離の変化などがポイントです。
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.210>
金星の見え方は,図12のモデルで説明することができる。地球上から見て金星が太陽の向こう側にあるとき(図12㋐),金星は遠いため小さく見え,また金星の手前側に太陽の光が当たり丸く見える。一方,地球上から見て太陽の手前側にあるとき(図12㋓㋕),金星は近いため大きく見え,また,金星の地球から見える側に太陽の光があまり当たらず,三日月のように見える。
図12は,金星の見え方を説明するために,地球の公転を止めて考えたときの金星の動きを示しています。また,図の(a),(b),(c),(d),(e)の㋐〜㋗はそれぞれ同じ位置の金星を意味しています。下のスライドから,金星の満ち欠けのようすをアニメーションで確認することもできます。
↓金星をドラッグすることができます。
地球上から,太陽と金星が最も離れて見えるのは,㋒と㋖です。㋑と㋗ではないことに注意しましょう。(b)-㋐〜㋗は地球上から見たときの金星です。㋒と㋖のように,金星が太陽から最も離れて見えるとき,金星は半月形((b)-㋒,㋖)に見えます。
宇宙から見たときの(a)を地球上から見たとすると,(c)のようにえがくことができます。㋒と㋖が太陽から最も離れて見えます。