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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.219>

オゾン層

 紫外線は太陽から発せられ,目に見える光とともに地球にとどいている。生物が紫外線を大量にあびると,害になることがある。

 地球を取りまく大気の上層には【オゾン層】とよばれるオゾンの多い層があり,太陽から発せられる紫外線はこのオゾン層によって吸収され,弱められている(図8)。つまり,オゾン層は,紫外線から地表の生物を保護する役割を果たしている。

 しかし,1980 年代はじめごろから,南極上空のオゾン層のオゾンが少なくなるオゾンホールとよばれる現象が観測されるようになった(図9)。オゾンホールの拡大が続けば,地表に到達する紫外線が増大し,生物に悪影響をおよぼすことが予想される。

オゾンの化学式はO₃である。オゾンは,紫外線のはたらきで酸素O₂からつくられる一方で,紫外線がオゾンを分解し,酸素ができる反応も起こる。自然の状態で,この両方の反応はつり合いが保たれている。オゾン層は,工業的につくられた物質(フロンなど)により,減少することがわかり,1990年代後半からは,原因物質の生産全廃や回収が国際的に行われるようになった。

図8 オゾン層

オゾンホールが生じるようになったのは,洗浄剤や冷暖房器具などに使用されていたフロンとよばれる物質が大気中を上昇して,オゾン層のオゾンを分解したためである。南極では,毎年9月から11月ごろにオゾンホールがはっきり現れる。

図9 南極大陸上空のオゾンホール

オゾン全量は1990年代前半にかけて大きく減少したが,対策が立てられ,1990年代後半に減少傾向が止まった。2016~2020年では,1994~2008年に比べて,わずかに増加の傾向も見られた。しかし,2022年では,ふたたびオゾンホールが大きくなるなど,少ない状態が続いている。ただ,今の対策を維持すれば,2066年ごろには,現在のように減少する以前の自然の状態にもどると予想されていて,環境問題が解決した成功例になると期待されている。

図10 オゾン全量の変化(世界平均)❸

❶ オゾン全量とは,ある地点の上空に存在するオゾンの総量である。

❷ 出典:気象庁ウェブサイト「南極オゾンホールの状況(2022年)」

❸ 出典:気象庁ウェブサイト「オゾン全量の経年変化」

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