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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.236>

人間活動で変化してしまった自然環境を回復させるためには,自然の再生力を最大限に引き出すことが大切である。生息数が減ってしまった生き物を人工的にふやしたり,姿が見られなくなった生き物をほかの地域から持ちこんだりしても,もとと同じ環境にもどることはない。自然とすみついた生物がたがいに関わり合い,時間をかけて豊かな生態系を形成するのを待つのが適切である。 青森県弘前市では,休耕田を活用して人工の池(だんぶり池)をつくる活動に取り組んでいる。池は,水の流れや水温,水深が一様にならないようにくふうし,それぞれの環境を好む多様な動植物が生息できるようにしている。その結果,青森県の絶滅危惧種に指定されているハッチョウトンボやハラビロトンボをはじめ,約40種類のトンボが確認された。また,ホタルやクワガタムシなどの昆虫やサンショウウオなどの両生類,メダカ,四季折々の植物などを観察することができ,市民の憩いの場にもなっている。

図29 環境保全の取り組み例①

だんぶり池
藤前干潟
ハマシギの群れ

名古屋市南西部の「藤前干潟」は,潮が最も引いたときに238ヘクタール(東京ドーム50個分)にもなる広大な干潟であり,多様な生物が生息する。また,世界各国からの渡り鳥の重要な中継地であり,春や秋にはシギ・チドリ類などが訪れる。 20世紀終わり,名古屋市は人口が増え続けた結果,ごみの量が非常に増え,藤前干潟はごみ処分場の候補となっていた。しかし,干潟の保全を求める市民の声が高まり,干潟の埋め立てが中止された。名古屋市は,平成11年2月「ごみ非常事態宣言」を発表。市民・事業者・行政が協力してごみを減らすことを呼びかけ,ごみ減量に成功した。市民の努力によって守られた藤前干潟は,国際的に重要な湿地として平成14年11月にラムサール条約に登録された。

図30 環境保全の取り組み例②

❶ 「だんぶり」とは,青森県津軽地方の方言で「トンボ」を指す言葉

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