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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.14>

 探究を深める   理路整然   どうする,条件をさらに変える

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海水は浮力が大きいということを聞いたよ。この探究の方法でそれが確かめられるかな。

食塩水と水で浮力が異なるとしたら,浮力を変える要素として何が考えられるかな。

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水溶液を極端に変えるとわかりやすくなるでしょう。たとえば,飽和食塩水とエタノールで,浮力を比べてみてはどうでしょうか。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.20>

 探究を深める   理路整然   どうする,合力の作図

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作図した平行四辺形の対角線の長さをものさしではかれば,合力の大きさがわかりますね。ものさしを使わずに計算で求められるかな?

2力が同じ大きさで,なす角が120°である①の場合は,正三角形ができるから,合力の大きさはすぐわかるよ。ほかにも利用できる三角形がないかな。

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直角三角形の中でも,30°,45°,60°をふくむ直角三角形が現れる②,③のような場合は,三平方の定理から辺の比が求められているので,覚えておくと役に立ちます。④はその応用です。

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2力のなす角が90°の場合は,3学年の数学で学ぶ「三平方の定理」を使って,右図のように対角線の長さを求められます。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.32>

 探究を深める   理路整然   どうする,速さと距離

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図10の記録から,0.1秒あたりの距離の変化を求めることができます。距離の変化を求めることができれば,0.1秒あたりの速さの変化も求めることができます。計算してみましょう。

この探究では,「物体に運動の向きに一定の力がはたらき続ける」という条件のもとで実験しています。つまり,この条件で,時間と距離の関係,時間と速さの関係を求めることができます。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.35>

 理路整然   どうする,思考実験

 ガリレイ(イタリア,1564 ~ 1642 年)は,物体の運動のさまざまな性質を明らかにした科学者です。このとき,極端な状況を想定する「思考実験」とよばれる方法で考え始めたといわれます。
 たとえば,斜面を転がり下りた鉄球は,向かいの斜面のほぼ同じ高さまで転がり上がります。斜面の角度をしだいにゆるやかにしても,鉄球はほぼ同じ高さまで上がります。ガリレイは,このことから「向かいの斜面を水平にしたときは,鉄球ははじめの高さに達することがないから,どこまでも同じ速さでまっすぐ転がり続けるだろう❶(図(a))」と予想しました。この思考実験は等速直線運動の考えにつながりました。
 また,当時信じられていた「重い物体と軽い物体を同時に落とすと,重い物体が速く落ちる」という考えにも,ガリレイは「重い物体と軽い物体を結びつけたら,双方引っ張られて中間の速さで落ちるという考えも,より重くなるのでより速く落ちるという考えもできてしまう(図(b))。考え方で現象が変わってしまうのはおかしい」と指摘しました。確かに,実際はどちらでもなく両者は同じ速さで落ちます❶(→ p.245)。
 わたしたちも仮説をたてるとき,しばしば「思考実験」をしていて,役立つ方法のひとつです。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.46>

 探究を深める   理路整然   どうする,道具のはたらき

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斜面を道具と考えることもできます。右の図で,「台車を引き上げるために必要な力」,「ひもを引いた距離」から,仕事を計算すると,探究7(c)と変わらないことがわかりました。この理由を説明してみましょう。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.51>

 理路整然   どうする,実験装置

 中学校理科の実験は全国で行われているので,実験器具が整っています。しかし,独自性の高い探究をしようと思ったら,そのための器具が買えるとは限りません。「自分で器具を考える」「今ある器具を組み合わせる」などの必要があります。

 たとえばこの探究であれば,位置エネルギーを調べるための専用の実験器具(図16)があります。これを上手に使えば正確なデータをとれるのですが,学校に必ずあるとは限りません。ではどうするか。身のまわりの道具を組み合わせて,杭打ち実験機と同じしくみを再現したのが左ページの方法です。ほかにも,小学校で使った空気でっぽうの筒を利用して,図17のような実験装置も考えられます。正確なデータをとるために,ほかのくふうもできるでしょう。

 歴史上の科学者も今の科学者も,技術者と協力して実験器具をつくり出し,探究に挑んでいます。探究には,「目的にあった実験器具を発明する」という楽しさもふくまれると考えてみてください。

図16 杭打ち実験機

図17 空気でっぽうを応用した実験装置

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.75>

 理路整然   どうする,条件の見出し方

 この探究では,細胞の分裂(→p.77)があまり観察できません。いっせいに分裂する条件を整えて観察すればよいのですが,実はこれが難しいのです。これまでにもさまざまな研究が行われており,一般的に「午前10時〜11時くらいに比較的よく分裂が見られる」といわれていますが,まだはっきりしないところがあります。

 先生をはじめ多くの人が,もっと確実に観察できる条件を探しています。毎年行われている探究であっても発展途上で,みなさんが自分たちの手で観察・実験し,「そうか!」と納得できるように,教材のくふうは今でも行われています。

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ここでは明暗条件を変えて,どのくらいの頻度で分裂している細胞が見られるかをまとめました。ただし,時刻により分裂指数に変化が生じる原因として,明暗以外の原因も考えられます。あなたなら,どのような条件を整えて実験しますか?

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ネギの根の細胞は,おおよそ25 時間ごとに1 回分裂がはじまり,1 回の分裂に5 時間程度かかるといわれています。その時間のうち,ひものようなつくりが見られるのはさらに短い時間です。また,分裂がはじまる時刻は一般に不規則です。 つまり,ひものようなつくりは,たまにしか観察できません。右上の折れ線グラフでは,それぞれの条件でプレパラートをつくり,視野を10 か所変えて観察した結果をまとめて,その平均値しか示していません。 しかし,実は詳しく見ると,1か所の視野ごとの分裂指数には大きなばらつきがあります。左図は,分布を示すのに適した「箱ひげ図」で結果を表現した場合です。「データの最小値」を見ると,どの条件でも,1か所視野に入った細胞の集まりを観察しただけでは,分裂がほとんど観察できないことがあると読み取れます。

ここでは明暗条件を変えましたが,条件によって異なる傾向がみられた原因として,ほかの可能性も考えられます。あなたなら,次にどのようなことを調べますか?

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❶ ここでは「顕微鏡の視野内のすべての細胞の数に対する,ひものようなつくり(→p.77)の見られる細胞の数」を分裂指数とよぶ。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.88>

 理路整然   どうする,ひらめき

 遺伝のしくみをはじめて明らかにしたのが,オーストリアのメンデルです。19世紀中ごろ,一般には,両親の形質は,2種類の絵の具が混ざるように子に伝わるとされていました(下図(a))。メンデルは,このような当時の考え方に対し,「遺伝の原因(遺伝子)は絵の具のようには混ざらない」「粒子のようなものである」と仮定しました(b)。そして,エンドウとその種子の実験にもとづき,新しい考え方を発表しました。

 メンデルが「粒子のようなもの」を思いついたのは,当時発展してきた「原子モデル」を取り入れたという説があります。そして,「粒子のようなもの」という「モデル」と「実験結果」から,「遺伝子という粒子のような原因があるのではないか」という原因自体を推定しました。

(a)19世紀中ごろの遺伝のモデル
(b)メンデルのモデル

 新しいモデルを思いつく,課題の解決方法を思いつくには,しばしばひらめきが重要です。とはいえ,ひらめきが必ず起こるような方法はないため,難しいところでもあります。

 ただ,ひらめき自体も研究されています。ひらめきは,シャワーをあびているときなど,何でもないときに起こりやすいことが世界で共通して知られています。この現象は「アハ体験」とよばれていて,英語のAha!(そうか!)に由来します。アハ体験は,解決できない課題に長時間取り組み続け,その緊張がふと途切れて,日常生活を送っているときに起こりやすいことが知られています。脳の中で,一見関係ないことがらがつながりやすくなる(ひらめく)タイミングだと解釈されていますが,しくみはまだ明らかではありません。

 ひらめきに必要なことは,課題について,ずっと真剣に悩むことなのかもしれません。また,メンデルのように,別な分野にヒントが見つかることもよくあります。そのため,自分と得意なことのちがう人,考え方のちがう人と話してみたり,興味のなかった情報に触れてみたりするのは,よい方法です。新しいアイデアを求めるときには,意識してそのように努めてみましょう。

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メンデルが,遺伝の原因について「粒子のようなもの」という仮説を立てたように,未知の原理や法則について,「一般的な決まり」を当てはめて考えることを「アブダクション」とよぶことがあります。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.105>

 理路整然   どうする,微生物の混入

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厳密な実験を行うときは,微生物が混ざらないようにすることが大切だよね。でも,どうして?

微生物が混ざることによって結果が変わってしまうことがあるからです。そのため,一度使った器具は微生物が残らないようにきれいにします。

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医療現場では器具などをアルコールでふくことがあります。あれは殺菌❶のためですよね。日常でも,熱湯をかけて殺菌することがあります。このような操作は,いつから行われているのですか?

 この探究では,微生物がいる条件といない条件 を比べるために,加熱して殺菌をしました。 また,そのあとでは,空気中の微生物がまぎれこまないようにビーカーにふたをしました。

 目に見えない微生物のはたらきは,どのように明らかになってきたのでしょうか。

 17 世紀終わりごろまで,食べ物からは,ウジ (ハエの幼虫)やカビが自然に発生すると考えら れていました。「自然に」というのは,本当に「何もないところから生物が発生する」という意味です。当時は,食べ物などが腐る理由が科学的にわかっていなかったともいえます。

 この考えを実験でくつがえしたのがレディ(イタリア,1626〜1697年)です。レディは,容器に食べ物を入れ,ガーゼでふたをすると,ウジは発生しないことを証明しました。

 また,このころ,顕微鏡の発達のおかげで,私たちの身のまわりのどこにでも微生物がいることがわかってきました。さらに微生物が食べ物を分解することが腐る原因であることも,だんだん理解されるようになってきました。

 微生物のはたらきをつきとめたのが,パスツール(フランス,1822〜1895年)です。 パスツールは,下図のようなフラスコの中で肉汁を煮たあと,1年たってもにごらない(腐らない) ことを発見しました。このフラスコでは,空気は出入りができますが,空気中の微生物は肉汁にたどり着けないしくみになっています。これにより「肉汁が腐るのは,外界からの微生物の混入による」ということを示しました。

パスツール

パスツールが実験したフラスコ(模型) 内容物をフラスコで煮た直後に, 急いでガラスを加工し,口を細くした。

殺菌は,缶詰などの長期間保存ができるものにも生かされていますね。食品を容器に密閉して高熱を加えると,中は殺菌され,そのあと外から微生物が入ることもありません。この探究で,みなさんは「有機物が腐る」というしくみも理解したのです。

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❶ 殺菌は,微生物を殺す操作を指して一般的に使われる言葉である。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.106>

 探究を深める   理路整然   どうする,微生物の量の比べ方

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試料による微生物の量(多い・少ない)も比べてみたいな。

下図のようにすると,微生物がふえて,斑点として目に見えるようになります。

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斑点の数を,もともといた微生物の量の目安とします。

そうか,試料ごとの斑点の数を数えると,微生物の多い・少ないを比べることができます。

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加熱していない土に水を入れたあとの上ずみ液を寒天にぬって数日置くと,たくさんの斑点が生じる。これらは微生物の集まりで,上ずみ液の中にいた微生物が,養分を得てふえたためにできる。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.120>

 探究を深める   理路整然   どうする,原子のモデルを深める

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2年生で,原子は「化学変化によって,それ以上分けられない」と学びました。これは,かつて原子という考えが広まったときの決まりです。しかし,その後研究が進み,原子はさらに分けられることがわかりました。いまでは,原子がp.118図1のような3種類の粒子からできていることが知られています。

図1をもとに考えると,たとえば塩化ナトリウムは,水溶液中でどのような状態だと考えられるでしょうか。モデルを考えてみましょう。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.120>

 探究を深める   理路整然   どうする,原子のモデルを深める

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2年生で,原子は「化学変化によって,それ以上分けられない」と学びました。これは,かつて原子という考えが広まったときの決まりです。しかし,その後研究が進み,原子はさらに分けられることがわかりました。いまでは,原子がp.118図1のような3種類の粒子からできていることが知られています。

図1をもとに考えると,たとえば塩化ナトリウムは,水溶液中でどのような状態だと考えられるでしょうか。モデルを考えてみましょう。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.123>

 理路整然   どうする,電流が流れる原因は

 電解質が水に溶けると,原子は,いつばらばらになるのでしょうか。下図①のように,電圧をかけたことが原因で,電解質をつくる原子がばらばらになったのか(イオンになったのか→ p.125),あるいは下図②のように,もともと水中で原子がばらばらになっていたのか,実はこの探究ではわかりません。歴史的にも,この2つの考えは議論になりました。

 19 世紀,電解質の存在は理解されていましたが,科学者の間では①が正しいと考えられていました。これに対して,アレニウスは,実際は②の状態だと考え「電離説」を発表します。しかし,しばらくは認められませんでした。アレニウスは研究を重ね,当時知られていた水溶液に関する研究結果のいくつかが,電解質が②の状態になっていると考えるとうまく説明できることを発表し,電離説はじょじょに受け入れられていきました。

 科学の歴史では,それまでの常識と異なる考えが出てきたとき,すぐに認められないことがしばしば起こります。「ダーウィンの進化論」や「ガリレオの地動説」などもその一例です。しかし,やがてその説でないと説明ができない事象が集まり,最終的に人々に受け入れられるようになります。科学の世界に限らず,わたしたちの社会でよくあることなのかもしれません。

アレニウス(1859~1927年)

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.135>

 理路整然   どうする,科学なのに矛盾?

 塩酸のもととなる塩化水素HClは,酸素をふくまないのに,その水溶液は「酸性」とよばれます。一方,水酸化ナトリウムNaOHは酸素がふくまれるのに,酸性とはよびません。用語とふくまれる元素が矛盾しているように思えます。

 昔から,果汁や酢など,すっぱい味のする物質があることは知られていて,それは「酸」とよばれました。ラボアジェ(フランス,1743〜1794年)は,酸の原因となる物質を考え.それを「酸をつくるもと」という意味で「酸素」と名づけました。また,このころ「水をつくるもと」であると考えられていた物質に対して「水素」という言葉も使われていました。

 やがてアレニウス(→p.123)の研究により,酸の原因は水素であることがわかります。そのときは,酸素も水素も物質の名前としてすでに定着していたため,酸素という言葉をわざわざ水素と入れかえることはしませんでした。

 同じようなことは,電流と電子の流れの関係にもいえます。電流の向きを電池の「+極から-極」と決めたあとで,電子の存在が明らかになり,金属中の電流が「-極から+極」に流れる電子であるとわかりました。しかし,電流の向きの定義は,工業などのさまざまな分野に広まっていたので,電流の正体に合わせて,わざわざ逆にすることはありませんでした。

 このように,歴史的に,言葉の定義よりも現象の事実解明があとになり,用語や決めごとに違和感を感じることもあります。しかし,科学の理論そのものに矛盾があるわけではありません。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.142>

 探究を深める   理路整然   どうする,中性を超えたとき

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中性を通り過ぎて,水酸化ナトリウム水溶液が多くなった状態で水を蒸発させると,どのような結晶が観察できるでしょうか。

結晶として現れるのは,塩化ナトリウムだけではなさそうです。

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探究4の㋐の試験管の水溶液を使えば,アルカリ性になった水溶液について,調べることができるね。

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仮説を立てて実験してみましょう。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.156>

 探究を深める   理路整然   どうする,金属の種類と水溶液

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金属板や水溶液の種類を変えたとき,同じように電池になる組み合わせを予想してみましょう。

亜鉛の代わりにマグネシウム,硫酸亜鉛の代わりに硫酸マグネシウムを使ったらどうでしょう。

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水溶液には,電極と同じ種類のイオンが存在していないといけないのかな?電解質ならなんでもいいのかな?

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金属のイオンへのなりやすさの順が離れているほど,高い電圧が出ます。水溶液の溶質は,さまざまな電解質を使うことができます。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.175>

 理路整然   どうする,すい星

 すい星は太陽の近くを通る細長い楕円軌道をもっていて,周期的に地球の近くにやってきます。たとえば,ハレーすい星は,約70年おきに現れる星として紀元前から歴史上の記録に残っています。古代や中世では,すい星や日食などは,不吉な前兆と考えられており,大災害や疫病が起こるのではないかと,人々は不安になっていました。

 ハレーすい星が最も近年で太陽に近づいたのは1986年,その前は1910年でした。

 …そのころ,ある天文学者がハレーすい星の尾に毒となる成分がふくまれていることを発見し,その毒が地球に届くと主張しました。これは全くの誤解でしたが,世界中で騒ぎになり,日本でも「地球の酸素が5分間なくなる」などのうわさが広がりました。

 青森県八戸町(現在の八戸市)に住む時計屋の主人,前原寅吉はアマチュア天文愛好家でもあり,店を訪れたすい星を恐れる人々に,うわさ話の無益さを説いたといわれています。

 前原は8歳の時に学校で「東西南北」の方角を初めて知りました。10歳の時にはさまざまな星々に興味をもち,いろいろな本を読んだり聞いたりしたことを「天文日誌」に書きはじめました。13歳で父を亡くし,間もなく,時計屋に弟子入りをします。彼は働きながらも,いろいろな本を読んでは宇宙を観測し天文日誌に書きこんでいきました。23歳で店をもち,しっかり働いて念願の「天体望遠鏡」を買うと,近所の写真館の人と共同で研究し,「明治の月」(図17(a))の撮影に成功します。また,「太陽面直接観察眼鏡」を発明し太陽黒点の撮影も行いました。さらに,それらの写真や星図,すい星軌道の図をもりこんで「天体之現象」という教材(図17(b))を作り全国の学校に配りました。多くの人に宇宙のことを知ってもらいたかったのです。また,太陽面を通過するハレーすい星の観測を試みて,その報告は新聞に掲載されました。その後,目が見えなくなりますが,家族の協力で星の観察記録を残し続けました。彼は今では「野の天文学者」とよばれています。

 彼は,尋常高等小学校(現在の中学校)までしか行けませんでしたが,科学の楽しさは「興味をもつこと,疑問を大切にすること,自分で調べること,そして自分で考えること」であることを私たちに教えてくれています。

 現在の私たちは,宇宙のすがたを学び,知っています。災害や疫病には,すい星や日食とはまったく無関係の原因があることを理解して,それぞれ対処しています。天文イベントがあれば,その日は空を見上げて楽しみます。つまり私たちの教養や文化は,科学の発達とともに変わっていくのです。

前原寅吉の活動記録

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.187>

 理路整然   どうする,地球が動いている

 古代では,地球は宇宙の中心であり,そのまわりを月や太陽,惑星が回っていると考えられていました。私たちが太陽や他の恒星の動きを見ると,一見これはまちがっていないように思います。しかし,惑星に注目すると,非常に複雑な動きをしているように見え,その運動の原因がうまく説明できませんでした。

 そこで,コペルニクス(ポーランド,1473〜1543年)は,地球も他の惑星と同じように太陽のまわりを回っているという考えを発表しました。この考えだと,惑星の公転という単純な円運動で,実際の見え方がうまく説明できたためです。

 コペルニクスの考えを天体の観測によって説明したのがガリレイ(イタリア,1564〜1642年)です。ガリレイは自分で作った望遠鏡で木星の衛星を4個発見し,それらが木星のまわりを公転していること,金星も満ち欠けしている(→p.209)ことを知りました。そして,地球をふくめた惑星が太陽のまわりを公転していると確信しました。この説は,はじめは多くの人に反対されました。地球が宇宙の中心だと信じられてきたからです。しかし,その後のさまざまな観測結果から,しだいに事実だと受け入れられていきました。

 私たちも,惑星の天球上での位置の変化をもとにコペルニクスの説を証明できます。ただ,大変な作業なので,この単元では「地球が太陽のまわりを公転している」というところから学習をはじめています。

古代の宇宙観 地球が中心にあり,そのほかの惑星は,地球を中心に大きく円運動しながら,その場で小さな円運動もしている。
コペルニクスやガリレイの宇宙観 太陽が中心にあり,地球をふくむすべての惑星は,太陽を中心とした円運動(公転)をしている。
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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.188>

 探究を深める   理路整然   どうする,太陽の道筋

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太陽の道筋は,地平線に対して斜めになっているよね。

地球のどこにいても,同じように道筋は斜めなのかな。

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観測者の模型を地球儀のいろいろなところに立たせて,太陽の道筋を調べてみよう。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.196>

 探究を深める   理路整然   どうする,天球全体のモデル

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東西南北の星の動きを説明するモデルを考えてみましょう。

星の動きは天球全体としては図23のように表せます。地球が自転しているということは,観測者から見て天球全体が回転しているということです。

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このように考えると,どの方角の星の動きも,すべて説明できますね。

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図23 太陽の動き(左)や星の動き(右)を説明するモデル例

観察したことを統一的に説明できるということは,適切な(妥当な)モデルですね。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.200>

 探究を深める   理路整然   どうする,公転・自転の速さと角度

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地球の公転周期は12か月です。自転周期は24時間です。1か月たつと,オリオン座の見える位置は,時刻にして何時間変わるでしょうか。

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宇宙から見たときの地球の公転と自転を考えてみましょう。ここではオリオン座を基準とします。

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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.237>

 理路整然   どうする,情報の公開

 あなたはこれから,自分の探究の成果を広く知ってもらうため,意見を広くつのるため,大勢に賛同してもらうため,あなたの考えや調べた成果を,インターネット上に公開することがあるかもしれません。

 レポートであれば,まずは適切に型にそっているか気をつけます。型にはまっているのが気に入らないかもしれません。ただ,あなたの独自性を主張したいのなら,実は型は重要です。読み手は,自然とレポートの型を前提に読みます。流れが独自すぎると,読みづらくて,あなたの評価どころではなくなってしまいます。もちろん論理展開も大切です。手順,結果,考察のつながりがすっと入ってこなければ,興味をもってもらえません。

 公開する内容の判断も大切です。たとえば貴重な動植物の報告は,乱獲目的の人が見る可能性も考え,場所が特定できないようにくふうします。

 より一般的な記事であれば,見つけて読んでもらうためのしかけに,特に気をつけます。その内容は検索にうまくかかりそうですか?タイトルはページを開いてもらえそうですか?

 読みはじめてもらったとして,読み手は数秒で閉じるか判断します。有名な言葉があります:「最初の文章は次の文章を読んでもらうために,その次の文章は,その先の文章を読んでもらうために」。読んでもらう苦労もあり,喜びもありですね。

興味をひく写真や動画はありますか?
その位置はちょうどよいですか?
最後まで飽きない内容ですか?
いろいろな人の意見を聞いて,よくしましょう。

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