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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.35>

 理路整然   どうする,思考実験

 ガリレイ(イタリア,1564 ~ 1642 年)は,物体の運動のさまざまな性質を明らかにした科学者です。このとき,極端な状況を想定する「思考実験」とよばれる方法で考え始めたといわれます。
 たとえば,斜面を転がり下りた鉄球は,向かいの斜面のほぼ同じ高さまで転がり上がります。斜面の角度をしだいにゆるやかにしても,鉄球はほぼ同じ高さまで上がります。ガリレイは,このことから「向かいの斜面を水平にしたときは,鉄球ははじめの高さに達することがないから,どこまでも同じ速さでまっすぐ転がり続けるだろう❶(図(a))」と予想しました。この思考実験は等速直線運動の考えにつながりました。
 また,当時信じられていた「重い物体と軽い物体を同時に落とすと,重い物体が速く落ちる」という考えにも,ガリレイは「重い物体と軽い物体を結びつけたら,双方引っ張られて中間の速さで落ちるという考えも,より重くなるのでより速く落ちるという考えもできてしまう(図(b))。考え方で現象が変わってしまうのはおかしい」と指摘しました。確かに,実際はどちらでもなく両者は同じ速さで落ちます❶(→ p.245)。
 わたしたちも仮説をたてるとき,しばしば「思考実験」をしていて,役立つ方法のひとつです。

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