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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.250>

発展 無性生殖にも欠点がある

 無性生殖をする生物には,1つの個体だけですぐにふえることができるという長所がある。では,無性生殖に短所はないのだろうか。歴史上有名な事件を紹介しよう。19世紀のアイルランドでは,ジャガイモが主な食物だった。ところが,このころ,ジャガイモがすぐに腐ってしまう病気が広まってジャガイモが保存できなくなり,大ききんが起こった。

 この原因は無性生殖の特徴と関係していた。当時も今と変わらず,ジャガイモは,いもの無性生殖でふやしていた。そのため,もとになったジャガイモの形質が,そのまま子孫のジャガイモに受けつがれたのである。ところが,もとになったジャガイモには,ある病気に弱いという形質があり,ふやしたジャガイモはその形質を受けついでいた。その結果,ジャガイモが同じ形質ばかりになり,病気が広まりやすくなってしまったと考えられている。

 無性生殖では,子孫の形質が親と同じになるため,このような短所がある。一方,有性生殖では,子孫の形質がさまざまになり,それらの中には環境の変化に耐える個体がいる可能性がある。一般的なジャガイモの種類は花をつけても種子ができないが,本来ジャガイモも有性生殖により種子でふえる。

ききんのときの子供のようす
畑にジャガイモのたねいもを植える
ジャガイモを分類するとトマトなどと同じグループであり,果実もトマトによく似ている

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