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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.265>
発展 宇宙はいつはじまった?
1929 年,天文学者ハッブル(アメリカ,1889 〜1953 年)は,数多くの銀河を観測して,遠くにある銀河ほど速いスピードで遠ざかっていることを発見した。こうした観測をもとに,ガモフら( アメリカ,1904 〜1968 年) は,1948 年に,宇宙は最初に超高温で高密度の状態であり,そこから爆発的に膨張がはじまったという考えを発表した。これが「ビッグバン」とよばれる現象である。
この考えによると,ビッグバンがはじまって最初の約3 分間で,水素やヘリウムの原子核ができた。さらに,ビッグバンから約38 万年後には,これらの原子核が,まだ自由に動いていた電子をとらえて,原子となったといわれる。さらに時間がたつと,原子が集まって恒星や銀河ができていった。
ビッグバンが起こったのはいつごろなのだろうか。天体どうしの距離を表す光年は,同時に時間も表している。たとえば,距離1000万光年の天体を地球から観測したとき,その天体の1000万年前のすがたを見ていることになる。
現在では,130億光年以上離れた銀河が見つかっている。したがって,宇宙が誕生したのは130億年よりも前ということになり,ビッグバンが起こったのは約138億年前だと考えられている。
宇宙は今も激しく活動していて,どこかで物質が集まって恒星や惑星になったり,これらがこわれて物質が散らばったりしている。また,ある原子から異なる種類の原子ができることもある。私たちのからだをつくる物質もその一部なのである。