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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.180>

1|地震の発生

1 プレート

 地震が発生する場所には,図1のように地球表面でのかたよりや,深さのかたよりがある。これは地球の表面のつくりと関係がある。

 地球の表面は,【プレート】とよばれる厚さ100kmほどの板状の岩石におおわれている(図2)。プレートは何枚にも分かれており,それぞれのプレートはさまざまな方向にゆっくりと動いている。プレートの境目で,一方のプレートがもう一方のプレートの下に沈みこんでいく場所では,【海溝】とよばれる谷のような海底地形ができる。

 プレートの動きにより,大地の変動が起こるという考え方をプレートテクトニクスという。

図中の●は地震の発生した場所を表す。

図1 地震が発生する場所

大陸がのっている板状の岩石を大陸プレート,海底をつくっている板状の岩石を海洋プレートという。図中の → は,プレートの境目がはっきりしない境界である。太平洋プレートは日本に向かって毎年7〜8cmの速さで動いている。

図2 地球表面をおおうプレート
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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.237>

資料 震源・火山の分布からプレート境界がわかる
(a)地震が起こった場所・火山の位置

(b)世界のプレート

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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.181>

 地震の発生

 プレートを構成する岩石が割れてずれた場所を断層といい,プレート内部には断層が多くあることがわかっている。
 プレートの動き(図2)にともないプレートどうしが押し合うなどすることで,岩石には常に非常に大きな力がはたらく。すると岩石は変形するが,変形にたえられず,やがて断層が急激にずれる。これが地震という現象である(図3)。断層の中でも,近年に活動した証拠があり,今後も動く可能性がある断層を特に活断層という❶。

●内陸で起こる地震 プレート内部にもともとある活断層が再びずれて起こる。比較的浅い場所で起こる。

地震は,もともとプレートにある活断層が再びずれて起こることが多い。内陸型地震は,比較的浅い場所で起こる。

かたい物体に力を加え続けると,ある時点で急に大きく割れる。断層もこれと同じようなしくみでできる。

● 海溝付近のプレート境界で起こる地震 マグニチュード(→p.189)が大きくなりやすい。

① 海洋プレートが大陸プレートの下に沈みこむ。

② 大陸プレートのふちが海洋プレートに引きずられる。大陸プレートのふちが変形する。

③ 大陸プレートのふちが変形にたえきれなくなり反発する。このとき,プレートの境目の岩石が破壊される。

図3 日本列島付近で起こる地震

❶ 活断層は,今後も地震を起こす可能性が高い場所として,防災や地震予測の点で注目されている。

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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.236>

資料 海底はどこまで掘れる

 地層などの調査には,地中に金属のパイプ(筒)を差しこんで,地中深くの試料を連続して採取するという技術が使われています。

●ボーリング調査

 大きな建物を建てるときなどには,しっかりした地盤が必要です。また,地下に活断層があると地震が起きたときに直上の建物に大きな害をあたえるので,あらかじめ調べておく必要があります。地層のようすを調べるため,地面から地下にパイプをさして地層の試料を取り出す調査を「ボーリング調査」といい,取り出した試料を「ボーリング試料」といいます。

 ボーリング試料は,行った地点の真下のようすしかわかりませんが,複数の地点のボーリング試料を得ると,地層の広がりを推定することもできます。通常のボーリング調査で調べられるのは,地下100m程度までの深さです。

(a)ボーリングによる試料の例

●深海の地質調査

 ボーリング調査のような地下を掘削して行う地質調査には,科学的な研究目的によって,海底下を対象として深くまで行われることもあります。中でも,日本の地球深部探査船「ちきゅう」は,陸上でのボーリング調査に比べて,桁ちがいの深さまで海底下を掘り,調査することができます。(図(b))。深い海底に巨大なパイプを下ろすための大きなやぐらや,掘削機器をつんでいて,海底下3000m以上の深さに到達した実績があります。

 「ちきゅう」による海底下の地質調査により,2011年の東北地方太平洋沖地震を引き起こしたと考えられるプレート境界断層からの試料が採取されました。その試料やその他のデータの解析結果から,地震時のプレート境界断層がとてもすべりやすかったことがわかりました。

船上の大きなやぐらは,海底にパイプを下ろすための構造である。

(b)地球深部探査船「ちきゅう」

「ちきゅう」で使われる巨大なパイプ

ニュース

※科学ニュースの更新は2025年4月を目処にはじまります。

  • 【大地震と「ゆっくり滑り」の相互作用を観測で解明】 2023年3月1日
    プレートとプレートの境界において,断層が地震波を放射せずにゆっくりと動きながらひずみエネルギーを解放するスロースリップ(ゆっくり滑り)という現象が近年検出できるようになりました。 この「ゆっくり滑り」について,大地震がゆっくり滑りの発生サイクルを乱し,ゆっくり滑りの活動が変化したことで次の地震を誘発。さらにこの二つの地震で周辺のゆっくり滑りが活性化し,三つめの地震が誘発されるという,大地震と「ゆっくり滑り」の相互作用が明らかになりました。 もと記事リンク 論文
  • 【トルコ南東部で発生した大地震 そのメカニズムは】 2023年3月1日
    2023年2月6日にトルコ南東部で発生した大地震。マグニチュード7.8,日本の震度で震度7クラスの揺れが発生し,2月10日時点で犠牲者が2万人以上と,未曽有の大災害となっています。どうか一人でも多くの命が助かるよう,心よりお祈り申し上げます。 今回の大地震を引き起こしたのは,アラビアプレートとアナトリアプレートの境界付近の断層です。日本ではプレート境界の地震=縦ずれ型の海溝型地震,と思いがちですが,実はトルコ周辺では陸上にプレート境界があります。今回も,2つのプレートの動く力に直接影響を受けた断層が横にずれて地震が発生しました。横ずれ断層という意味では,日本で2016年に発生した熊本地震とよく似たメカニズムです。ただし,プレートという巨大な力を直接受けていることもあり,地震のエネルギーの規模は熊本地震の16倍と,非常に大きくなっています。 もと記事リンク

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