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※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.224>

1|日本の季節に影響する要素

 地球規模の大気の動き

 地表が受け取る太陽からのエネルギーは,赤道付近では多く,極付近では少ない。この温度差によって大気は地球規模で循環している。

 また,日本が位置する中緯度地域の上空では,おおむね西から東に向かう強い風がふいており,この風を【偏西風】❶という。日本付近で低気圧や高気圧が西から東へと移動していくのは,この偏西風が影響するためである(図1)。

(a)は,大気の循環が起こる層を強調した図であり,(b)はさらにその中の循環を表している。日本のある中緯度地域の上空では,偏西風がふく。低緯度地域には,赤道付近の地表であたためられた空気が上昇してできる循環(①)があり,高緯度地域には冷たい空気が下降してできる循環(②)がある。

図1 地球規模の大気の動き

❶ 偏西風のふく高度と速さは季節によっても変化するが,最も風速の大きい部分は高度約9〜12kmにあり,速さは秒速100mを超えることもある。

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※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.225>

 高気圧や気団の影響

 日本の周辺には高気圧の発達しやすい場所がいくつかある。季節によって,【シベリア高気圧】,【オホーツク海高気圧】,【太平洋高気圧】が発達し,これらの高気圧は,日本の四季の変化に影響をあたえている(図2)。

シベリア高気圧

冬に日本の北西にあるシベリア地域に発達する。この地域は地表の温度が非常に低いため,低温で乾燥したシベリア気団ができる。

オホーツク海高気圧

初夏などに日本の北東に位置するオホーツク海上に発達する。この海域は水温が低く,かつ水蒸気の供給があるため,低温でしめったオホーツク海気団ができる。

太平洋高気圧

夏に日本の南の太平洋に発達する。この海域はあたたかく,水蒸気の供給があるため,高温でしめった小笠原気団ができる。

図2 日本の周辺の高気圧と気団

 季節風の影響

 日本付近では,夏に太平洋から南東の風がふき,冬に大陸から北西の風がふくことが多い。このように,ある地域で季節ごとに決まってふく風を【季節風】という(図3)。

大陸は海洋に比べて,あたたまりやすく冷めやすい。このため,夏は,強い日ざしによって大陸の温度が海洋よりも高くなる。すると,大陸上では,空気はあたためられて密度が小さくなることで上昇し,気圧が低くなる。一方,海洋上では,大陸上よりも空気の温度が低く,密度が大きくなる。そのため空気が下降し,気圧が高くなる。この気圧差によって,海洋から大陸へ向かう風がふく。冬は,大陸は海洋よりも冷える。そのため,大陸上で気圧が高くなり,海洋上で低くなって,大陸から海洋へ向かう強い季節風がふく。

図3 季節風の原因

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※このウェブページは中学校理科2年の学習内容です。<2年p.226>

 海洋の影響

 日本は海洋に囲まれているため,日本周辺の大気には海洋から水蒸気が供給されやすく,1年を通じて比較的雨が多い。

 海洋には,【海流】とよばれる海水の流れがある。低緯度から高緯度に向かう海流は,温度が比較的高く,【暖流】という。逆に,高緯度から低緯度に向かう海流は,温度が比較的低く,【寒流】という。日本周辺の海洋には,図4のように暖流と寒流があり,暖流の上をふく風はあたためられ,寒流の上をふく風は冷やされる。このように,日本周辺の海流も日本の天気に影響をあたえている。

図4 日本周辺の海流
海岸では,季節風と同じようなしくみで,より規模の小さい風が起こる。昼は海より陸があたたまりやすいため,陸上で空気は上昇し海から陸に向かって風がふく。これを「海風」という。夜は逆に陸が冷えやすく,陸から海に向かって風がふく。これを「陸風」という。
昼の間,海から陸に向かって風がふく

図5 海陸風

水そうに水と砂を入れ,数時間日なたに置く。そのあと,水そう内に火のついた線香を立て,けむりの動きを観察する。

図6 海風の実験

上空では一年を通して偏西風がふいているが,地表付近では主に低気圧・高気圧による風がふく。(日本付近の例)

図7 風の種類と高さ

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  • 2-4-3-1 2023年1月1日
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