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1|日本の季節に影響する要素
1 地球規模の大気の動き
地表が受け取る太陽からのエネルギーは,赤道付近では多く,極付近では少ない。この温度差によって大気は地球規模で循環している。
また,日本が位置する中緯度地域の上空では,おおむね西から東に向かう強い風がふいており,この風を【偏西風】❶という。日本付近で低気圧や高気圧が西から東へと移動していくのは,この偏西風が影響するためである(図1)。
❶ 偏西風のふく高度と速さは季節によっても変化するが,最も風速の大きい部分は高度約9〜12kmにあり,速さは秒速100mを超えることもある。
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2 高気圧や気団の影響
日本の周辺には高気圧の発達しやすい場所がいくつかある。季節によって,【シベリア高気圧】,【オホーツク海高気圧】,【太平洋高気圧】が発達し,これらの高気圧は,日本の四季の変化に影響をあたえている(図2)。
シベリア高気圧
冬に日本の北西にあるシベリア地域に発達する。この地域は地表の温度が非常に低いため,低温で乾燥したシベリア気団ができる。
オホーツク海高気圧
初夏などに日本の北東に位置するオホーツク海上に発達する。この海域は水温が低く,かつ水蒸気の供給があるため,低温でしめったオホーツク海気団ができる。
太平洋高気圧
夏に日本の南の太平洋に発達する。この海域はあたたかく,水蒸気の供給があるため,高温でしめった小笠原気団ができる。
3 季節風の影響
日本付近では,夏に太平洋から南東の風がふき,冬に大陸から北西の風がふくことが多い。このように,ある地域で季節ごとに決まってふく風を【季節風】という(図3)。
大陸は海洋に比べて,あたたまりやすく冷めやすい。このため,夏は,強い日ざしによって大陸の温度が海洋よりも高くなる。すると,大陸上では,空気はあたためられて密度が小さくなることで上昇し,気圧が低くなる。一方,海洋上では,大陸上よりも空気の温度が低く,密度が大きくなる。そのため空気が下降し,気圧が高くなる。この気圧差によって,海洋から大陸へ向かう風がふく。冬は,大陸は海洋よりも冷える。そのため,大陸上で気圧が高くなり,海洋上で低くなって,大陸から海洋へ向かう強い季節風がふく。
図3 季節風の原因
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4 海洋の影響
日本は海洋に囲まれているため,日本周辺の大気には海洋から水蒸気が供給されやすく,1年を通じて比較的雨が多い。
海洋には,【海流】とよばれる海水の流れがある。低緯度から高緯度に向かう海流は,温度が比較的高く,【暖流】という。逆に,高緯度から低緯度に向かう海流は,温度が比較的低く,【寒流】という。日本周辺の海洋には,図4のように暖流と寒流があり,暖流の上をふく風はあたためられ,寒流の上をふく風は冷やされる。このように,日本周辺の海流も日本の天気に影響をあたえている。
図5 海陸風