※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.182>
1|天球
1 地球の自転と公転
地球は太陽のまわりを1年に1回公転している。さらに,地球は北極と南極を結ぶ軸【地軸】を中心に,1日1回自転している。また,地軸は,地球の公転している面(公転面)に対して垂直な方向から約23.4°傾いている(図1)。
図1 公転面に対する地軸の傾き
2 地球上での方位
天体の位置を表すのに用いる東西南北を方位という。ある地点Pでの北とは,地球上の北極の方向になり,南とはその正反対になる。東,西とは,その地点の子午線と直角に交わる線の方向になる(図2(b))。
図2 観測者と方位
方位や天球の考え方を下のアニメーションで確認することもできます。
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この単元で天体の動きを考えるとき, 特に説明がない場合は観測者は 南を向いていることとします。 このとき「東」は「左手」の「ひ」と 覚えましょう。
※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.183>
3 天球
1つの星座をつくる恒星でも,地球からそれぞれの恒星までの距離は,みな異なっている。しかし,地球から恒星までの距離は非常に遠いため,それぞれの距離のちがいを感じることはなく,観測者を中心とした大きな球面にはりついているように見える(図3(a))。この見かけの球面を【天球】という。天球は実際には存在しないが,大きさを自由に変えて考えられ,天体の位置や動きを表すときに便利なモデルである(図3(b))。
観測者を中心に,地平線を水平に考えたり,地球の公転面が水平になるように,観測者を傾かせたり,これも視点の変更ですね。
図3 天球の考え方
❶ 「天頂」は観測者の真上の点,「天の北極」「天の南極」は,それぞれ地軸の北極と南極を延長した点である。
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4 視点の切りかえ
私たちが電車に乗って外の景色を見ると,本当は電車が動いているのに,外の景色が動いているように見える。これと同じことが地球上にいる私たちにも起こっている。自転や公転によって動いているのは,地球であり,そこに乗っている私たちであるが,私たちからは天体が動いているように見える(図5)。
天体の動きを理解するときは,「宇宙からの見え方」と「地球上からの見え方」の両方を考えることが大切である。
この教科書の図では,「宇宙からの見え方」を表す場合,「宇宙から」という灰色の枠で示します。「地球上からの見え方」は「地球上から」という青色の枠で示します。図5で「宇宙からの見え方」と「地球上からの見え方」のちがいを考えてみましょう。
図5 乗り物が動くと景色が動く
図6 天体の位置を透明半球で表す
ニュース
※科学ニュースの更新は2025年4月を目処にはじまります。
- 【なぜ受験生は夜型になるのか】 2023年3月1日年度末を迎え,期末試験や受験のシーズンとなりました。受験勉強といえばなぜか明るい昼間よりも夜ふかししての追い込みのイメージになりがちですが,睡眠学者がその理由として考えるのは「人間の概日リズム」。 明暗がない,時刻が分からない条件下では,ヒトの概日リズムは24時間よりもやや長くなります。ヒトという生物にとっては,夜ふかしする方が容易なのです。 しかし,夜ふかししたり,昼に長時間仮眠したりすることは,学習の成績やメンタルと負の相関関係にあるという研究結果が出ています。また,世界的には中学生くらいの年齢の子供は8~9時間寝ています。日本の学生の睡眠時間は,短すぎると言われています。しっかりと寝て,試験に向けて少しずつ朝方のリズムに整えていくことが,実力を十分に発揮できることにつながります。がんばれ,受験生! もと記事リンク