世界最大級の花を咲かせるラフレシアには茎も根も葉もなく,光合成のための遺伝子まで捨ててしまっているため,完全に宿主のミツバカズラというブドウ科のつる植物に頼って生きています。
その複雑なライフサイクルと特殊な性質がラフレシアの栽培を困難にし,ラフレシアを絶滅の危機から救おうとする科学者たちを悩ませています。 インドネシアのボゴール植物園の植物学者ソフィ・ムルシダワティ氏は,何百回となく試行錯誤を重ね,ラフレシアが寄生したミツバカズラの根を接ぎ木することで,不可能とまで言われたラフレシアの栽培に成功しました。彼女は10年間で16個のラフレシアの花を栽培下で咲かせることにも成功したものの,雄花と雌花を同時に開花させるまでには至らず,種子を得ることはまだできていません。