「キイロネクイハムシ」という昆虫をご存じでしょうか。水の中に生える水生植物を食べ,一生を水の中で過ごす,体長4mmほどの小さな虫です。1962年の記録が最後で,すでに絶滅したと考えられていました。
しかしこのたび,琵琶湖周辺でキイロネクイハムシが60年ぶりに再発見されました。小さな虫なので発見者の加藤真教授も現地では気付かず,別の実験のために研究室に持ち帰った水草の中にいるのを発見したとのこと。系統分析により,アジアやヨーロッパの種とは明らかに異なり,中国の近縁種に近い種であることも分かりました。 系統分析を担当した曽田貞滋教授は,加藤教授とは学部時代からの同期であり友人で,加藤教授が「60年ぶりの大発見を『真っ先に自慢しに行きたい』と思える相手」だったそう。論文は二人の共著として発表されました。