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【鯨骨生物群集が解き明かす!? 二つの「飛び石」仮説】

クジラの骨を基盤として成り立つ「鯨骨生物群集」の生き物たちは,硫化水素をエネルギー源とするなど,特殊な生態をもちます。このような生物がどこから,どうやってクジラの骨にやってきたのかについて,二つの「飛び石仮説」が唱えられています。

ひとつは「地理的『飛び石』仮説」。深海には,熱水噴出孔など,酸素の代わりに硫化水素をエネルギー源とした生態系が成立している環境があります。そのような場所は飛び飛びに存在するものの,世界中で共通した種が発見されます。その理由は,クジラの骨を「飛び石」,つまり中継地点として生息を広げているから,という仮説です。 もうひとつは「進化的『飛び石』仮説」。沿岸に生息する生物のなかから,鯨骨を「飛び石」として,深海の熱水噴出孔に適応した生物が進化した,という仮説です。この仮説には,熱水噴出孔に適応した生物の方がクジラより古い時代に出現した,という弱点がありましたが,近年,クビナガリュウの骨でも「竜骨生物群集」と呼ぶべき生態系ができていたということがわかり,進化の道筋が解き明かされつつあります。

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