素粒子の一種「ニュートリノ」は,物質を構成する素粒子の中でも極端に小さく軽く,見ることも触れることもできません。あらゆる物質を――私たちの体さえも素通りしてしまうので,「幽霊粒子」とも呼ばれます。
この謎めいた粒子の謎を解明するため,これまで活躍してきた「スーパーカミオカンデ」の次世代となる観測施設「ハイパーカミオカンデ」が岐阜県飛騨市神岡町で着工されました。 素粒子の極小の世界を観測する「顕微鏡」であるハイパーカミオカンデは,一方で宇宙の謎に向けられた「望遠鏡」でもあります。宇宙の始まりや天体の仕組みなど,多くの謎を解き明かすことが期待されています。