数千℃の高温下では,鉄やアルミなど身近な素材は融解してしまいます。しかし超高音速機やスペースシャトルなど,その高温に耐える素材が必要な場面では,高温に耐え,かつ劣化しにくい素材が求められてきました。
今回開発された新素材は,ジルコニウムやチタンの合金をベースとした炭素繊維強化超高温セラミックス複合材料です。これまで使われてきた炭素繊維強化炭素複合材料では,素材に含まれているケイ素の酸化反応などによって劣化が起こることから,高温でも劣化しにくいジルコニウムやチタンを使っています。実験により,この新素材は2000℃までの高温に耐えることが確認されました。この結果は,今後,航空機やロケットの耐熱コーティングなどに活かされることが期待されています。