現在,時間の単位「秒」は,原子の振動数を基準とした「原子時計」により定義されています。しかし,原子時計の1000倍の精度を誇り,1秒ずれるのに300億年かかるほど正確な新しい時計「光格子時計」が発明され,いずれ秒の定義が変わるとされています。
光格子時計は,おおざっぱにいうとレーザー光の干渉によりストロンチウム原子を極小の空間に1個ずつ閉じ込め,原子同士が互いに影響を及ぼさないようにして,原子とレーザー光の共鳴周波数を精密にはかって時間を計測する時計です。 光格子時計のアイデアが提唱されたのは2001年ですが,その後実際に装置を作成・改良し,東京スカイツリーの上と下での時間差を計測して性能が確認されるなどの研究が進められており,このたび本田宗一郎氏が設立した本田財団による国際賞「本田賞」を受賞しました。