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ついに「光学迷彩」実現か?光の負の屈折現象の解明と実用化に一歩前進

光は通常,物質(媒質)を通過する際に決まった角度で屈折します。このとき,通常起こる屈折とは異なる角度で起こる屈折は「負の屈折現象」とよばれ,この現象が起こると,SFの世界でいうところの「光学迷彩」のように,わたしたちの目には,そこにあるはずの物体が見えなくなったり,あるいは本来見えない場所に見えたり,といったことが生じます。
NTTと英ランカスター大学の研究チームは,大規模シミュレータを構築し,格子状に配置された原子が光の負の屈折現象を引き起こすことを理論的に発見しました。この現象自体は,これまでもメタマテリアルとよばれる人工物質を使用することで実現可能といわれてきましたが,実際には,メタマテリアルはその制御や製造に難を抱えており,実用上の制約がある状態でした。今回の発見は,光の吸収損失がなく,高度な制御が可能な原子格子が,光学迷彩や回折限界を超えるレンズの技術に応用できる可能性を示すものです。また,この技術は,量子情報処理にも貢献すると期待されています。

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