近年ではAIを使用した画像生成技術の進歩がめざましく,手軽に思い通りの画像をつくることができるようになった一方で,『偽物』の台頭,いわゆるディープフェイク技術により,実在の人物のニセ画像や動画まで簡単に作成できてしまうことが社会問題となっています。人物の精巧なフェイク画像は,本人を実際に撮影したものと見分けがつかない水準に達しており,本物か否かの判別は大きな課題です。
そこで,フェイクの判別に,銀河の画像を分析する技術が応用でき,人物の目に映る光に注目して見分ける方法が有効であることが,英ハル大学の天体物理学研究チームによって示されました。特に,ジニ係数という数値を用いた光の分布の分析が効果的で,左右の目の光の反射が,本物ではほぼ一致するのに対し,偽物では不自然な分布が現れる点が指摘されています。
ただし,この方法も万能ではなく,実際に撮影した本物の写真であっても,照明の条件などによって誤判定をしてしまう可能性が残されています。また,加速度的にAIが進化し続けている現在,見破る側と生成する側のいたちごっこは続いていくと考えられています。
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