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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.230>
資料 速さ×時間で遠くまでの距離を調べる
遠く離れた物体までの距離をはかるために,光や音の速さが利用されています。いくつかの例を見てみましょう。
●月までの距離を光ではかる
1969年に月面着陸を果たしたアメリカのアポロ11号の乗組員によって,月面にコーナーキューブ(→p.111)の反射板が設置されました。この反射板に向けて地球から光を照射して,反射してもどるまでの往復時間を測定し,光の速さから地球と月との正確な距離を求めています(距離=光の速さ×往復の時間÷2)。長年の観測により,月は年に3.8cmの割合で地球から遠ざかっていることがわかりました。
●火山の膨張を光で調べる
気象庁の火山観測所では,24時間体制で活火山の火山活動を観測しています。その観測のひとつは,山体の膨張をとらえることです。山頂付近にコーナーキューブを使った反射板を設置し,観測所からレーザー光を当て,光がもどるまでの時間をはかることで距離を求めます。マグマが上昇してくると山がわずかに膨張して距離が変わるので,山体の膨張をとらえることができます。
●海底の地形を調べる
水中では,光は遠くまで伝わりませんが,音は空気中よりもずっと遠くまで伝わるため,距離をはかるのには音が使われます。
海底地形図をつくるときの海洋調査では,図(d)のように音の発生装置(圧縮した空気を一瞬で出すエアガン)から海底に向けて音を出し,海底で反射してもどる音を受信機でとらえることで,水中での音速から水深をはかります。また,振動数がより多い音に変えると,海底の堆積物の内部まで音が伝わり,よりかたい地層や岩石で反射してもどるので,海底の地下構造を調べることも可能です。